アストロズ、サイン盗み選手にお咎めなし 本当の理由は「証言で免責を約束」
MLBコミッショナーは「実行することが難しい」と発言も、実際は真相解明のため
MLBの調査が終わっても、一向に収まらないアストロズのサイン盗み騒動。その一因に、AJ・ヒンチ監督やジェフ・ルーノーGMが解任されたにも関わらず、当事者の選手に全く処罰がなかったことがある。なぜ、選手は処罰を受けないのか。米メディアはその理由を「証言する代わりに免責した」と報じている。
米メディア「NBCスポーツ」はロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが選手を処分しなかった理由を「実行することが難しく、現実的ではなかったから」と説明。しかし、米メディア「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、メジャーリーグとMLB選手会の間で「正直に証言すれば免責するという取り決めが早い段階でなされていた」という。
米球界最大のスキャンダルとも言われるサイン盗みの真相を解き明かし、事態の収束を図ったともいえる。記事では「これはMLBがスピーディーで、スムーズに調査をすることを望んでいたことの表れであり、また選手会の力量や、微妙な労使関係を象徴している。免責を約束したことで、2か月間にメジャーリーグは、アストロズの現在、過去23人の選手にインタビューすることができた」というから驚きだ。
MLBは引き続き、アストロズの件とは別に、2018年のレッドソックスのサイン盗み疑惑について調査している。報告書が上がる前に退任となったアレックス・コーラ元監督は、ヒンチ元監督とルーノー元GMと同様か、または、更に重い処分になると予想されているという。
事件の全容が分かったことは大きな進展だが、かといって2017年のアストロズのワールドシリーズチャンピオンは剥奪されず、打たれた投手たちの不名誉も回復されない。ファンにとっては受け入れがたい決定だろう。
(Full-Count編集部)