殿堂入りジーター氏、満票ならずも「気にならない」 ファンは“魔女狩り”も
1票足りず史上2人目の満票逃すも「殿堂入りなんてことは頭をよぎらなかった」
2020年の米国野球殿堂入り選手として、21日(日本時間22日)に元ヤンキースのデレク・ジーター氏が資格1年目で99.7%の票を集めて選出された。昨年の元ヤンキースのマリアーノ・リベラ氏に次ぐ史上2人目の満票選出には1票足りず、発表直後からファンの不満が続出していた。しかし、本人は気に留めていないようだ。
米メディア「USAトゥデイ」は「みんなが魔女狩りを始めようとしている」と、投票しなかった1人の記者に矛先が向かっていると指摘。実際にSNSではファンから怒りや疑問の声が上がっている。
しかしジーター氏はこの論争を巧みに回避する。ジーター氏が「どんなことに対しても、全員が同意するということは本当に難しい。殿堂入りの選出のための投票数は本当に多いから」と大人の対応を見せている。
2016年に殿堂入りしたケン・グリフィーJr.氏も満票選出には3票足りなかったが、「ぜんぜん気にならない」とやはり意に介さなかった。それに比べれば、ジーター氏は396票もの支持を集め、賛成しなかったのは1人だけだ。
ジーター氏は、「気にしてないよ。私は殿堂入りできたという事実をとても誇りに思い、そのことにとても興奮しているよ」と、“満票選出”には興味がなく殿堂入りしたこと自体に敬意を表しているようだ。
そもそもジーター氏も入団当初から花道だけを歩いてきたわけではない。記事の中では1992年にヤンキースと契約した頃には、プレッシャーからホテルのバルコニーで毎日泣いていたといい、プロ1年目にマイナーリーグで記録した56失策は、未だにサウス・アトランティックリーグの記録だという。
「初めての夏であったタンパでの1992年に、私が考えていたことは、なんとか翌年に生き残ろうということだった。殿堂入りなんてことは頭をよぎらなかった。みんなに私のことをどのように覚えて欲しいかといえば、それは、僕がヤンキースだったこと」。少なくとも、“1票足りなかったジーター”とは覚えて欲しくないはずである。
(Full-Count編集部)