バット30グラム増量も「重く感じない、力が付いた」 中日根尾が語る2年目の手応え

根尾は今オフ台湾WLに出場、年明けはロサンゼルスと鳥取で自主トレに励んだ

 1月12日に同番組に出演した与田剛監督は根尾について「外野をさせているのは出場機会を増やすため。ただ、開幕から1軍に置くのか、2軍で経験を積ませるのか、それは打撃次第です。内野でも外野でも、彼を守備固めや代走要因で起用するつもりはありません。魅力は打撃。今後、伸ばすべきものも打撃。現実的に1軍野手の登録枠を考えると、大島や平田ではなく、まずは藤井、井領、渡辺など控え外野手、しかも打撃を期待される選手との勝負になる。ファンの期待が大きいことは分かっていますが、そこが彼の今の位置」と明言した。

 赤星氏は「2軍で3割。その後、1軍定着」と示した。「まずは2軍で結果を出して、シーズンの中盤、できればもっと早く上に来て戦力として定着して欲しい」と期待を寄せた。とにかくバットが鍵を握る。

 それは根尾も自覚していた。「とにかく僕は打つことです」ときっぱり。今年はバットを改良した。「去年は880グラムでしたが、この軽さだと小手先で振れてしまう。もっと下半身を使って力強くスイングするために重くしようと。バランスを整えるうちに今の910グラムのバットになりました。最初から30グラム重くしようとしたのではなく、これに落ち着いたという感じです。実は周平さんのバットを工場に持って行きました。グリップはかなり近い形です。今はこのバットが重く感じません。力が付いたんだと思います」と手応えを口にした。

 昨シーズン終了後、根尾はすさまじい日程で野球を続けた。10月は宮崎フェニックスリーグ、11月は沖縄秋季キャンプ、12月に台湾ウインターリーグ、1月はロサンゼルスと鳥取で自主トレ、今はナゴヤ球場で練習している。このオフについて根尾は「最も重点を置いたのは全身のトレーニングです。筋力アップはもちろん、可動域を広げ、柔軟性を高めることに取り組みました」と振り返る。

 全ては完璧な準備のため。「去年は怪我でキャンプもできず、振り込みもできないままでした。正直、春から夏まではずっと足がフワフワしていました。やはり大切なのは準備。打席ではもう打つしかないし、打つことに集中したい。いかに打席に入るまでに準備をするか。ここまでは順調です」と笑顔をのぞかせた。

 まもなく2月1日。平田は読谷で強靭な体を作り、高橋は北谷で大声を出しながら、チームを引っ張り、地道に内角を克服する。そして、根尾は打つ。開幕は3月20日。稽古不足を幕は待たない。いよいよ勝負が始まる。

(CBCアナウンサー 若狭敬一/ Keiichi Wakasa)
<プロフィール>
1975年9月1日岡山県倉敷市生まれ。1998年3月、名古屋大学経済学部卒業。同年4月、中部日本放送株式会社(現・株式会社CBCテレビ)にアナウンサーとして入社。テレビの情報番組の司会やレポーターを担当。また、ラジオの音楽番組のパーソナリティーとして1500組のアーティストにインタビュー。2004年、JNN系アノンシスト賞ラジオフリートーク部門優秀賞。2005年、2015年、同テレビフリートーク部門優秀賞受賞。2006年からはプロ野球の実況中継を担当。現在の担当番組は、テレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜12時54分~)「High FIVE!!」(毎週土曜17時00分~)、ラジオ「若狭敬一のスポ音」(毎週土曜12時20分~)「ドラ魂キング」(毎週金曜16時~)など。著書「サンドラのドラゴンズ論」(中日新聞社)。

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