「見返したい」アキレス腱断裂から捕手復帰へ… オリ伏見が涙した妻の支えと周囲への感謝

全く面識のなかった他球団のトレーナーが「僕も同じ経験をした、伏見君に会わせてほしい」

 入院中にはアキレス腱断裂の大ケガを経験した下山真二打撃コーチ(現アマスカウト)、北川博敏氏(現阪神2軍打撃コーチ)から連絡があり“経験者”のアドバイスを受けた。そして一番驚いたのが全く面識のなかった他球団のトレーナーの存在だった。

「リハビリ中にファームの試合で来ていた他球団のトレーナーの方が『僕も同じ経験があるので伏見君に会わせてくれないか』と訪ねて来てくれた。赤の他人の自分にリハビリのやり方など色々話してくれました。感謝しかないです」

 そんな伏見を野球の神様は見捨てていなかった。どん底から抜け出したのは12月。徐々に痛みが消えてくるとリハビリも順調に進み今まで出来なかった動きが増えていった。当初の予定では春季キャンプはリハビリがメインの予定だったが劇的な回復力を見せ現在は打撃練習などある程度の練習をこなすことが可能となった。

「キャンプは何もできないかなと思った。でも、やっと野球をやってるって気持ちで今は期待感しかないです。復帰の日を決めてしまうと焦ってしまうので。いい意味で楽観的になって1日でも早く、もう一度あの舞台に戻ってきたい。もちろん捕手で。あの時はこんなことがあったなって昔話として話せるように」

 どん底を味わった伏見は捕手一本で復帰を目指している。支えてくれた多くの人、そして家族が見守る京セラドームで大歓声を浴びるその日まで。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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