ホークス増田がもどかしさの中で得たものとは　「1歩引いたところから…」

増田は昨年末に高校時代からの古傷の右手首を手術

　昨年11月に高校時代からの古傷であった右手首を手術したソフトバンクの増田珠内野手。右手に包帯を巻いた状態で我慢の宮崎春季キャンプを送っている。

　左手のグラブだけで捕球を繰り返すノック。左手に持ったバットだけでスイングするトスバッティング。ランニングメニューなどは他の選手とともにこなしているが、リハビリ組の中でも増田はコーチとともに孤独な特別メニューを続けている。

　第1クール最終日、増田は「野球をやりたいという気持ちはもちろんありますし、もどかしさもあります」と正直な気持ちを吐露した。

「でも人を観察することもできていますし、1歩引いたところから周りを見て気づくことや一緒にプレーしていたらわからなかったことも多いんです。今はやれることをやるしかないので、できることはどんどんやっていこうと思っています」

　復帰まで約6か月を要するとわかっていながら「先のことを考えれば不安をなくしてプレーした方がいい」と自分で決断した手術。その決断に至った気持ちが増田を前向きにしている。

「これまでは技術的なことを身につけようと必死になっていましたが、野球ができない分、フィジカル的な部分に回せているのは結果的に良かったと思います。復帰した時の自分に期待していますよ」と明るい表情で語ってくれた。増田にとって今年の春季キャンプは心の強さを磨く1か月となりそうだ。

（藤浦一都 / Kazuto Fujiura）