西武山川が激白、本塁打記録更新の“野望”「日本記録の数字は低いと思います」

2年連続パ・リーグ本塁打王の西武・山川穂高【写真:荒川祐史】
2年連続パ・リーグ本塁打王の西武・山川穂高【写真:荒川祐史】

「日本記録の数字は低いと思います」「現役でチャンスがある以上狙います」

 2年連続40発以上でのタイトル獲得も十分すごいが、さらに「みんなが驚くような数字」となると、2013年にバレンティン(当時ヤクルト、現ソフトバンク)が樹立した日本記録のシーズン60本塁打の更新?

「まぁ、それは、自分が思い描く打撃ができれば、可能性はゼロではないと思います。日本記録の数字は低いと思います」

 えっ、60本塁打は低い!? 確かに、バリー・ボンズが保持するメジャー記録の73本塁打に比べれば少ないが……。

「もちろん、60本どころか、50本打つのも相当なことですが、打率で日本記録というのはもっての他(シーズン打率の日本記録は1986年の阪神・バースの.389)ですし、(60本塁打は)射程圏内ではないですが、現役でチャンスがある以上狙います」と言い切った。

 これだけだと、自信家でビッグマウスのようにも聞こえるが、一方で心配性の一面ものぞかせる。プロ7年目だが、プロ入り当初からガンガン打てた選手ではない。「プロの世界ですから、一瞬にしてすべてを奪われるかもしれない。イヤですよ、せっかくここまできたのに、他人に取って代わられるのは。めちゃめちゃ恐怖です。正直言って、誰も来ないでほしい」と本音を明かす。

 不安だからこそ、人一倍練習する。このキャンプでも、早出、通常練習をこなした後、さらに特打や体幹トレーニングに取り組むのが日課になっている。通算本塁打の世界記録保持者で、現役時代に人並外れた練習量でも知られた現ソフトバンクの王貞治球団会長が、「練習しないと不安でしかたがない」と語っていた姿をほうふつとさせる。

「不安がない人は、あまり練習しないんじゃないですか? わかんないですけど」と山川。成功しても満足せず、さらなる高みを目指せる才能が、この男にはある。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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