40歳ヤクルト五十嵐亮太が挑む新たな一歩 「ある程度リスクを背負いながらも…」

ヤクルト・五十嵐亮太【写真:津高良和】
ヤクルト・五十嵐亮太【写真:津高良和】

同学年の先発左腕・石川に「めちゃくちゃ刺激を受けますよ」

 2020年、ヤクルト五十嵐亮太が新たな一歩を踏み出そうとしている。5月には41歳を迎えるベテランだが、投手として進歩し続けようという姿勢は20代の頃と変わらない。いや、むしろ40代となった今の方が、多少のリスクも厭わない覚悟のようなものがあるのかもしれない。

 今シーズンのテーマに掲げたのは「三塁側でどれくらいピッチングができるか」。つまり、マウンド上で構えた時にプレートを踏む位置を中心より三塁側に置けるか、ということだ。これまでプレートの真ん中よりも一塁側を踏むことが多かったが、今季は三塁側も含めて満遍なく利用し、打者からの見え方を変える作戦だ。

「プレートを踏む位置を変えて、ホームに向かってボールを投げ込む角度が変われば、投げる自分にもリスクはある。でも、バッターを抑えることを考えたら、いろいろな角度から投げられた方がいい。自分の中で気持ちいいピッチングばかりやっていると、打つ方も気持ち良く打てると思うので、その辺は自分に厳しくいきます」

 五十嵐がヒントを得たのは、同学年の左腕・石川雅規のピッチングだ。「石川なんか打席で1球ごとに踏む位置を変えていくようなピッチャー。そこまでいければいいですよね」と感心しきりだ。

 高卒の五十嵐と大卒の石川で入団時期は4年違うが、同級生の絆は深い。右の中継ぎと左の先発。剛腕と技巧派。タイプは全く違うが、共通しているのは底知れないスタミナの持ち主ということ。昨季、五十嵐はNPB史上4人目となる900登板(日米通算)を飾り、石川はデビュー以来18シーズンのうち20先発に達しなかったのは1度だけ。時には連れだって食事にも出掛ける石川に、五十嵐は「めちゃくちゃ刺激を受けますよ」と話す。

「(石川は)なかなかピッチャーが踏み込めないような、新しいことにも踏み込んでいく。僕はリスクを考えてしまったり、なかなか新しいことに踏み込めないタイプ。でも、踏み出しにくいからこそ、そこにチャレンジしないと。普通に投げているだけで抑えられる世界ではないし、年齢的にもごまかしが利かなくなっているから。若い頃は力でカバーできたことが、だんだんできなくなっているから、余計にチャレンジするべきだと思います」

ソフトバンクで感じるプレッシャーと、一味違うヤクルトで感じるプレッシャー

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