ロッテ河合オーナー代行が選手に求める“考える力” 「ちゃんとした社会人に育って」

「長く球界で活躍してほしいと同時に、ちゃんとした社会人にも育ってほしい」

 ただ数字を羅列されただけでは、何をどう活用するべきか分からない。また、一般的な見方しかできなければ、数あるデータも宝の持ち腐れとなってしまう。そこで、ロッテではチームアナリストが選手にデータの活用方法を伝授。佐々木朗希ら今季の新入団選手も研修を受けた。そこには、野球を辞めた後にも汎用できる「考える力」をつけてほしいという願いも込められている。

「新人選手には継続的に研修を行う予定です。それというのも、特に高卒の選手は、今までずっと野球漬けの日々を過ごしてきた。彼らには長く球界で活躍してほしいと同時に、ちゃんとした社会人にも育ってほしいわけです。そうした時に、いきなり社会人として道徳的な講習をやっても、みんな実感が沸かないと思うんです。そこで自分が一番大切にしなければならないこと、つまり野球に対してどう向き合うべきかということに繋げるために、データ分析を通じて社会人として論理だった思考を訓練してほしいなと。アナリストに教えてもらいながら、データを見て『自分には何が足りない』『もっとこうすればいけるんじゃないか』と思考を始める。若い時から、自分で考えて答えを出すという力を身に付けられれば、人間として厚みが増すと思うんです」

 考える力が備われば、自分に必要なことを、他人からの押しつけではなく自発的に取り組むことができる。

「メディカル面でもそうですよね。今の選手たちは、実は自分の体のことをすごく考えていて、トレーニング方法や体の成長に関する情報をいろいろ持っている。自分に一番身近なことですから興味が沸くわけです。ただ、そこにはやはり正しい方向に導く声は必要で、医療チームの先生形が選手一人一人の課題に対して解決策を議論する場を設けてくれる。3年後にどういう体になっていたいのか。そのためには、今どういう食事をし、どういうトレーニングをすればいいのか。それを押しつけではなく、自分の頭で考えることが大切なんですよね」

故重光氏への感謝 「どんなに赤字が出ても球団を支え続けてくれた」

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