サイン盗みの特効薬!? 米大学野球が導入、投手装着のリストバンドでシグナル交換

投手のシグナルカード搭載型リストバンド装着が許可された【写真:Getty Images】
投手のシグナルカード搭載型リストバンド装着が許可された【写真:Getty Images】

NCAAはサイン交換伝達時間短縮のため投手のリストバンド装着を許可

 NCAA(全米大学体育協会)の野球競技は21日(日本時間22日)にシーズンが開幕し、投手にシグナルカードが搭載されたリストバンド装着が許可されることになった。サイン交換伝達時間を省くことで試合時間を短縮するのが主目的だが、サイン盗み防止にも効果を発揮するとして注目を集めている。AP通信が「大学野球のリストバンドに関する新ルールは、サイン盗みを防ぐかもしれない」とのタイトルで伝えている。

 APは「試合時間短縮を促すことを目的とした新ルールは、大学野球のサイン盗みを阻止するかもしれない」と指摘し、こう伝えている。

「金曜日(現地21日)にシーズンが始まる際、NCAAは投手にシグナルカードが搭載されたリストバンドを装着することを許可する。これにより投手と捕手はダグアウト内(の様子)を見て(ダグアウトから送られる)球種を確認することができ、捕手がハンドサインで球種を伝達する必要がなくなるというわけだ」。打者の注意を視覚的にそらさないために、カードは暗い色のものでなければならないとされているという。

 大学野球のリストバンドルールは「投球間隔20秒以内」ルール実施に伴い、ダグアウトからコーチが球種を伝える作業を早める為に導入されていたという。ミネソタ大学のジョン・アンダーソンコーチは「イニング毎に変更できるこのカードを搭載したリストバンドを使えば、相手がサイン盗みを行うことを更に難しくさせる。映像システムやカメラ、TV放送が増えた今日のプロ野球(MLB)と、我々は同じ境遇にいる」と指摘している。

 UCLAのジョン・サベージコーチはこう話している。「もし公平性を欠くような利点が生まれ、TVモニターやセンター後方のカメラから球種を伝達すれば道義に反すると思う。あの(アストロズの)件が明るみに出てからというのも、文字通り毎日話題となっている」

 今回明るみに出たアストロズのサイン盗みは、相手捕手のハンドサインを解読することから始まっている。NCAAが今回導入する伝達方法が成功すれば、今後野球界のサイン交換方法は大きく変わるかもしれない。

(Full-Count編集部=AP)

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