サイン盗み“被害者”カーショー主張　ブザー使用疑惑“黒”なら「処分再考すべき」

カーショーは「スポーツ・イラストレイテッド」の取材に答えた

　メジャーを揺るがせる大問題に発展したアストロズのサイン盗みについて、ドジャースのエース、クレイトン・カーショー投手が改めて口を開いた。サイ・ヤング賞を3度受賞している左腕は米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」の取材に応じ、ユニホームの下にブザーを付けてサインの受け渡しをしていたという“疑惑”が本当だった場合は選手への処分を「再考すべき」などと語っている。

　記事は「クレイトン・カーショーの2017年のワールドシリーズの思い出には、アストロズのサイン盗みがついて回っている」とのタイトルで詳報。サイン盗みで最大の被害者であるかもしれないカーショーが、サイン盗みで気になっていることはたった1つだけだと指摘し、カーショーの言葉を伝えている。

「ただひとつ、ぼくがイライラしていることは彼らがリアルタイムで（サイン盗みを）やったというところ。他球団も（伝統的な方法で）サイン盗みをやっていただろう。でもアストロズが、テクノロジーを使って、リアルタイムでやり始めたことが、他のチームを違うところだ」

　さらに、こう続けている。

「多くの人が『（サイン盗みは）みんな同じだろう、みんなやっているんだろう』と言うのを聞くと嫌になる。我々はアストロズのようなことをやってない」

　カーショーはアストロズとの2017年ワールドシリーズ第5戦に先発、5回途中6失点と打ち込まれた。試合も延長で敗れて2勝3敗に。結局ドジャーズは3勝4敗でアストロズに屈した。この試合について左腕はこう答えていた。

「サイン盗みのことなんかは、全く考えていなかった。酷い投球をして負けてしまったと思っていた。でも、もう、終わったことだからね」

　しかし記事によると、カーショーは、後にこの試合についてある決定的なことを話した。二塁走者が目で見て捕手のサインを盗む、伝統的なサイン盗みについては問題ないと語っていたときだったという。

「二塁走者がいる場面でサインを変えずにいてサインを盗まれたら、それは僕のせいだ。でも、走者が一塁にいるような時に僕は複数のサインを使いたくない。試合がスローにしなるし、リズムを壊したくないから」と説明。「（2017年ワールドシリーズ第5戦の）ヒューストンでもそうした。僕は1つのサインしか使わなかった。知っておくべきだった。彼らはいつも複数のサインを使っていたのに」と振り返り、こう続けている。

「僕は投げる時に癖はないから、（二塁に走者がいない場合は）サインを変えなくてもどんな球種が来るか彼らは分からないと思っていた。彼らに対して考えが甘かったのは僕ぐらいかもしれない」と厳しい言葉を並べた。