安打は反省材料、四球は安心材料― 初実戦レイズ筒香嘉智が得た実りある2打席

2打席目の四球は、追い込まれてからファウルで凌いだ末に選んだ

 4回裏、先頭で迎えた打席は相手に8球を投げさせて出塁。カウント2-2から外に沈む143キロのシンカー、156キロの速球をファウルで凌いだ。追い込まれたカウントからスピード、軌道の異なる球で攻め立てる配球に対応できたことが大きい。筒香は言う。

「2ストライク後のファウルを打つには、僕の中では技術を使う部分があるので。それができたという点では良かったです。ああいうファウルを打てているのは自分の中で安心材料」

 マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏は、オープン戦を迎えると、打席の中で「真っすぐ待ちの変化球対応から、変化球待ちの真っすぐ対応」へと段階を踏んで体の反応を蘇生させていく作業を行っていたが、それは筒香が使った「技術」を具体的にしている。

 イメージ通りのスイングにはまだ時間はかかるが、「今の段階、体の状態からすれば十分」と頷いた筒香は、今後を見据えた。

「まだ1試合目ですし良い投手もこれからたくさん出てくると思うので、そういう中で日々起きることをしっかり修正しながらやっていきたいと思います」

 意識と裏腹のヒットと意味のあるファウル――。筒香が初実戦で立った2打席は実りあるものとなった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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