西武松坂、いよいよ実戦登板 練習器具引き継いだ亡き兄貴分の思いを胸にマウンドへ
松坂は今キャンプ、森慎二氏が使用していた「ボディブレード」を愛用している
西武に14年ぶりに復帰した松坂大輔投手が25日の韓国・斗山との練習試合(サンマリン宮崎)に先発し、今季初の実戦登板を果たす。前日24日はキャッチボール、ダッシュなどで軽く汗を流し、報道陣には「僕、登板前はしゃべんないので」とだけ。登板日前日にコメントしないのは、以前からの流儀だ。
前日時点の予報では、25日の宮崎市は最高気温22度の暖かさに恵まれる見通し。東京なら5月並みの陽気で、まずは幸運なスタートといえそう。辻監督は「順調。それだけでいい。開幕(ローテ入り)に行けるくらいの気持ちでやっているだろう」と期待を込めていた。
その松坂がキャンプイン以降ずっと愛用しているのが、プロペラのような形状をしたトレーニング器具「ボディブレード」。メーン球場からウエートトレーニング場に移動する際に持参しているほどだ。真ん中を握って振動させることによって、ダイエットや体幹を鍛えるのに効果があるとされる。かつて球界で流行したこともあったが、最近西武でここまで愛用しているのは松坂くらい。球団スタッフは「お気に入りなんでしょうね。キャンプインの頃に探していましたから」という。
このボディブレードにはなぜか、スポーツ用品メーカー「ゼット」のロゴのシールが、同社の製品ではないのに貼られている。前出のスタッフは「実はあれは、亡くなった森慎二が愛用していたもので、彼が自分が契約していたメーカーのシールを貼ったんですよ。松坂も『慎二さんが使っていたのか~』と感慨深げでしたね」と明かした。
森慎二氏は現役時代から6歳下の松坂の兄貴分だった。西武1軍投手コーチ在任中の2017年6月、突然体調不良を訴え、42歳の若さで多臓器不全のため急逝。当時ソフトバンクに在籍していた松坂も「弟のようにかわいがってもらった。(死去を)受け入れられない」と沈痛なコメントを残している。
久しぶりに古巣のユニホームに袖を通した今季、松坂は亡き先輩の思い出も胸にマウンドに上がる。