元レイズ岩村明憲氏、筒香嘉智に成功の秘訣伝授 「守備でミスしても打てばいい」【前編】
岩村氏「守備の負担がバッティングにつながらなければいい」
――守備面では
「こうならないで欲しいなあっていうのは、守備の負担がバッティングにつながらなければいいなっていうのはあると思います。完璧を求めすぎて、例えばサードというポジションはそんなに今まで深くやったことがない。レフトを主に守ってきた。ずっとサードでやっていない選手がいきなりサードに行った時に、『俺できないから』と、もっともっとと追い詰めていくと、メンタルが心配。僕はバッティングにつながらなければいいなって思っているので。ある程度はミスしても打って取り返すぐらいの気持ちでいんじゃないかなと。それから慣れてくればサードにも適応していくだろうと思います」
――完璧を求めすぎない
「勿論、レフトには何も問題ないと思うので。いろんなポジションを守るというところの心の準備でしょうね。あとは監督ともコミュニケーションは取っていると聞いたので、そこは監督がどういう思いでサードで使ったり、レフトで使ったりするのか。だからサードで使うっていうことは必ず外野手が4人はいるということですよね。もともと外野手の筒香をサードに使うということですから。そういうのもコミュニケーションが取れて自分が動く意味さえわかれば、バッティングには影響しないと思うんですけどね」
――ご自身の経験を踏まえて
「僕がセカンドに行ったのも、ジョー・マドン(監督)といろんな話ができて。僕が言われたのは『お前がセカンドに行ったら強くなる』という言葉があったからこそセカンドに行けた。それまでサードとしてプライドを持って日本でゴールデングラブを取って。へたくそからたたき上げでここまで来た自負があっただけに、動く時ってどうなのかみたいなものはありましたけど、監督に言われると、動かざるを得ないというか。じゃあ、行きましょうと」
――チームのために
「強いチームを目指すのは当たり前だし、自分のパフォーマンスだけではなくて、そっちでいいとなれば筒香君もレフトやサードだけではなく、勿論ファーストもあるでしょうし、今度は外野だと全部なるだろうし。外野手がもし怪我をしてしまった場合、その穴埋めをしないといけないですから。カバーできるぐらいの守備力もあれば、打つだけではないというところが見せれたら、また、パワーヒッターの新たな一面が出せて筒香君の評価も上がるんじゃないかなと思いますけどね」
――岩村さんはグリーンモンスターを超えた唯一の日本人左打者
「是非ね、グリーンモンスターを超えて欲しいですし。壁当てを好きになって欲しいですね。あそこがホーム球場じゃないからなかなかですけれど、ただあそこに行ったら壁当てしたいんだっていうね。それぐらいの気楽な気持ちで」
――日本人左打者2人目は筒香選手で
「そうなって欲しいですね。勿論大谷君もそうですけれど。大谷君はあそこでバッターとして行くことが少なかったりするので。あそこは楽しみで、歴史のある球場なので(必ず名前が出ることになる)。もうそうなって欲しいですね(笑)」
(後編に続く)
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)