「必然しかないかもしれない」 阪神・藤川球児が感じる“故郷”と再集結のタイミング
初セーブに関わったメンバーが、250セーブに再集結する「必然」
初セーブを挙げたのは、2005年9月9日、甲子園での広島戦だった。この日、先発マウンドに上がったのは福原、捕手は矢野。ウィリアムスを挟んで8回途中からマウンドに上がった藤川は、1回1/3を無安打無失点にきっちり抑え、初セーブを飾った。クローザーとして第一歩を踏み出した時のメンバーが、順調にいけば250セーブ目を飾る場所に同じユニホームを着て揃う。藤川はこれを「必然」だと言う。
「必然しかないかもしれないですね。偶然では出会わなかったでしょう。何かに恵まれて運が向いたというか、揃うべくして揃ったというか、偶然のまま進んでいたらなかったでしょう」
キャンプ中には、現在阪神で駐米スカウトを務めるウィリアムス、プロスカウトを務める久保田智之が集まり、2005年のリーグ優勝に大貢献した鉄壁のリリーフトリオ「JFK」が揃い踏みした。15年経った今、現役を続けるのは藤川のみ。「自分も現役を退いた状態でいれば『あの時こうだったね』ってもっと気楽に話ができるんだけど」と少し寂しそうな表情を浮かべたが、「ウィリアムスにしても久保田にしても、僕が頑張ることで彼らが頑張ってきたことがもう一度脚光を浴びる、ありがとうって言ってくれたんだけど、いやいや違う。こういうやりとりができるのも、やっぱりタイガースという故郷があるからでしょうね」と温和な表情を浮かべた。