ハム高山がフィリピン代表選出 他国代表でプレーしたNPBのWBC戦士を振り返る
MLBからNPBのドラフトを経由し、最多セーブを獲得した選手も
各国の傾向としては、ブラジル代表には日系のNPB経験者が多く、フィリピン代表として出場した2選手は、両名とも母親がフィリピン出身という縁があっての出場だった。一方、台湾の場合は野球留学によって学生時代に来日した選手がそのままNPBのドラフトで指名を受けるケースが多い。また、中国代表の朱は幼少期から日本で育ち、日本の高校を経てプロ入りしていた。
また、WBCと直接の関係はないが、過去にはこれ以外の国の出身者としてNPBのドラフトで指名を受けた選手もいた。マイケル中村(MICHEAL)氏は日本とオーストラリアの二重国籍で、NPB入り前にはMLBのツインズとブルージェイズで登板した経験も持っていた。2004年のドラフトで日本ハムの指名を受けて入団すると、2006年には最多セーブのタイトルを獲得。そこから3年間にわたってクローザーとして活躍し、日本球界においても大きな成功を収めた。
また、現在MLBで活躍している中にも日系の選手は存在している。例えば、2017年のWBCで米国代表の一員として初優勝に貢献し、2018年から2年連続でナショナルリーグの首位打者を獲得したMLBトップクラスの好打者クリスチャン・イェリッチ外野手(ブルワーズ)も、日系3世の選手だ。
今年開催されるオリンピックにおいては、出場する国の国籍を持っていることが出場資格の一つとして定められている。オリンピック等に比べて出場するための規約が比較的緩いがゆえに、高山やレアードのように保有する国籍とは異なる代表チームで出場するケースがたびたび生じるのも、WBCの面白いところかもしれない。
はたして高山を擁するフィリピンは予選を勝ち抜き、本戦への初出場を決めることができるか。そして、本選出場チームの中にも、日本ゆかりの選手が選出されるか。WBCを観戦するうえで、そういった点にも注目してみてはいかがだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)