「3年連続40本塁打」の偉業に挑む西武山川 過去に達成した8人の業績は?

西武の先輩・秋山、カブレラも…球史に残る名選手に山川は肩を並べることができるか

○秋山幸二氏(元西武、ダイエー)
2189試合 2157安打 437本塁打 1312打点 打率.270 長打率.491

本塁打王獲得回数:1回
40本塁打達成年:1985年~1987年(3年連続)

 西武黄金時代の中心的な存在として長きにわたって活躍した秋山氏は、走攻守の全てにおいて傑出したプレーを披露してスターダムを駆け上がった。外野守備の名手として11度のゴールデングラブ賞に輝いただけでなく、1991年には51盗塁で盗塁王も獲得。華のあるプレーとホームラン後のバック宙でもファンの人気を博した。もちろん秋山氏は打撃面でも抜群の才能を有しており、勝負強さと一発長打を武器に常勝軍団の3番打者として活躍した。

 初めて規定打席に到達した1985年から3年連続40本塁打、9年連続30本塁打を記録。センターという運動量の多いポジションながら6年連続で全試合に出場するタフさも兼ね備え、1994年にダイエーに移籍してからもチームリーダーとして低迷していたチームをけん引。1999年にはダイエーとしての初優勝にも貢献し、史上初となる2球団での日本シリーズMVPを受賞。80年代から90年代にかけてのパ・リーグを代表する名選手だった。

○アレックス・カブレラ氏(元西武、オリックス、ソフトバンク)
1239試合 1368安打 357本塁打 949打点 打率.303 長打率.592

本塁打王獲得回数:1回
40本塁打達成年:2001年~2003年(3年連続)

 カブレラ氏は来日1年目の2001年にいきなり49本塁打を放って自らの実力を証明すると、続く2002年には先述のローズ氏に続いて当時のシーズンタイ記録となる55本塁打を記録。翌2003年にも50本塁打を記録し、3年間で154本塁打という驚異的なペースで本塁打を量産した。ローズ氏の存在もあって本塁打王の獲得数は2002年の1度にとどまったものの、バットを担ぎ上げる独特のフォームも相まって、その存在感は抜群だった。

 その後もライオンズの主砲として活躍を続け、2004年の日本一にも貢献した。オリックスに移籍した2008年にも打率.315、36本塁打、104打点と活躍し、12年間にわたって日本球界でプレー。豪快な打撃のイメージが強いが、規定打席に到達した8年間のうち、打率.300以上を記録した回数は6度を数え、NPBでの通算打率も.303。1度の打点王、2度の最高出塁率も獲得しており、打者としてのトータルバランスに優れた選手だった。

 以上の顔ぶれをみてもわかるとおり、3年連続で40本塁打を記録した人物は、いずれも球史にその名を刻むレベルの名選手ばかり。山川は28歳と選手としてこれから脂が乗り切ってくる年齢であり、山本浩二氏のように30歳を過ぎてからさらに成績を伸ばしていった選手も過去には存在。今後のさらなる飛躍にも期待がかかるところだろう。

 山川は昨年5月に321試合目という日本人史上最速のペースで通算100号の大台に乗せており、近年の活躍ぶりは目を見張るものがある。直近2年間のような活躍を今後も続けられれば、後世においても球史に名を残す偉大なホームランバッターとして記憶される可能性もあるはずだ。

 ちなみに、「おかわり君」こと中村は2008年、2009年、2011年と40本塁打を3度記録しているが、2010年にはケガの影響で85試合の出場にとどまって25本塁打に終わり、惜しくも4年連続40本塁打は逃している。2年連続40本塁打というだけでも、中村と山川選の間に達成した選手が一人もいなかった快挙だが、山川はNPB歴代3位となる6度の本塁打王を獲得した偉大な先輩を上回る記録に挑戦することにもなる。

 2年連続でリーグ最多の本塁打を放った獅子の主砲は、現代の枠を飛び越え、球史の中でも傑出したパワーヒッターの一人として認められる存在になれるか。3年連続40本塁打という偉業を達成できるか否かは、いわばその第一歩を踏み出せるかどうかの試金石となりそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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