売上1億円超! 元チア職員が手掛ける中日グッズ改革「大胆に攻めてみました」

昨春で体感した松坂フィーバー、ネームバリューではなく、グッズ自体に魅力を

 昨春、初めて沖縄キャンプのグッズ販売を現場で体感。背番号18になった「平成の怪物」が巻き起こすフィーバーを目の当たりにして、危機感もあった。「スター選手のおかげで売れているなって」。選手のネームバリューばかりに頼るのではなく、グッズ自体に魅力を出せないか――。20年のキャンプに向け、半年以上前から準備に取り掛かった。

 デザインを決定する役割を一手に担い、製造業者と話し合いを重ねた。何かにつけ地味なイメージがつきまとってきた中日球団。「グッズではハジけちゃっていいのかなと。デザイン勝負で、大胆に攻めてみました」。中でもハイビスカス柄を全体にあしらったユニホームは、色や柄の配置など何度も試行錯誤。完成直前になって「ちょっと色の出方が違う」と突き返すこだわりぶりだった。

「2020年」にちなんで2020枚限定で販売し、期間中に完売。同じハイビスカス柄を使ったクッションやキーホルダーも作り、目玉商品になった。購入者からは「いい意味でドラゴンズらしくない。名古屋に帰ってから自慢できる」と好評。一方で「ドラゴンズなんだから、青を基調とした色合いじゃないと」という声もあったが、賛否あったのはそれだけ存在感を示せた証。「いろんな声を来年に生かしたいです」と荒井さんは意気込む。

 流行に敏感でいようと、SNSは小まめにチェック。他球団のグッズも参考にしながら、常にアンテナを立てている。ダンスからグッズへ、携わるものは変わっても、根底にある思いは今も変わらないという。「とにかく球場に野球を見に来てほしい。可愛いグッズがあれば、それを身につけて出かけようと思ってくれるかもしれませんから」。ドラゴンズとファンをつなぐ、架け橋でありたい。

【写真】「大胆に攻めてみました」…ハイビスカス柄の独創ユニを手に笑顔を浮かべる元チアドラリーダーの荒井なつりさん

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