ティーボールが導く野球普及 簡単ルールで子供も大人も楽しさを知るきっかけに
幼児のレベルでは「飛んでいるボールにバットを当てる」のは非常に難しい
日本高野連は一昨年「高校野球200年構想」を発表し、高校野球部が小学校以下の子供に野球の普及活動を行うことができるようになった。小学校低学年や未就学児童に対する「野球教室」でもティーボールは非常に効果的だ。
幼児のレベルでは「飛んでいるボールにバットを当てる」のは非常に難しい。トスバッティングでもバットにボールが当たらない子供がいる。そこで、ティーにボールを載せて、プラスチックバットで打てば「バットで打つ」ことを体験することができる。バットにボールが当たるようになれば、ティーボールを体験させるという流れになる。
ティーボールをする上で注意すべきは、「振った後のバットの処理」だ。ゲームに夢中になってバットを投げてしまう子供も多い。危険防止のために、打席の横にサークルを描いたり、ボックスを置いたりして「打った後にここにバットを置いたら1点」というルールを導入することで危険防止につなげることができる。
ルールがわかってくると、子供たちは思い思いにバットを振り始める。これも危険なので、指導者は「バットを振るときは気を付けて」と注意を喚起する必要がある。
ティーは、カラーコーンを使ったり、野球用のティーを使用するのが一般的だが、勢い余ってコーン、ティーを倒してしまうことも多い。最近は、ボールをゴムの筒状の部分で柔らかく支えることができる「タナーティー」を使う場合も増えている。
プレイヤーの数も自由に変えたり、ルールを臨機応変に対応することも可能だ。昔の「野球あそび」の感覚で野球の楽しさを体験できる、野球普及には極めて有効なゲームだと言えるだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)