前鷹育成の長谷川が燕で急成長 G菅野も師事した“鴻江理論”で覚醒「意識が180度…」

ヤクルト・長谷川宙輝【写真:荒川祐史】
ヤクルト・長谷川宙輝【写真:荒川祐史】

高津監督の一言が背中を押した「ゾーンに投げてくれればいい」

 今季ヤクルトに加入した長谷川宙輝(ひろき)投手が圧巻の投球を続けている。20、21日の阪神との練習試合でいずれもセーブシチュエーションで9回に登板。ともに難なく3人で退けて“2試合連続セーブ”をマークした。昨季まで3年間をソフトバンクの育成選手として過ごした左腕が、新天地で素質を開花させようとしている。

 虎打線を完璧に牛耳った。長谷川は20日、3点リードの9回に登板。最速150キロをマークした速球を前面に押し出し、僅か7球で荒木を三ゴロ、高山を遊飛、原口を遊ゴロに仕留めた。連投となった21日は1点リードとプレッシャーのかかる場面だったが北條、荒木を連続空振り三振で退け、植田を遊ゴロに打ち取った。最速151キロの速球に、140キロ台を計測したチェンジアップ、スライダーが冴え渡った。

 昨季のチーム防御率はリーグワーストの4.78。投壊に泣いて最下位に甘んじたヤクルト投手陣の救世主として期待される左腕は「去年までは委縮して投げていた。高津監督の一言が大きかったです」と振り返る。

 東京都出身。中高一貫の聖徳学園高で学んだ左腕は2016年ドラフト会議で育成2位でソフトバンクに指名されたが、力を思う存分に発揮できず3年間を過ごした。問題は制球力だった。「ストライクを投げなきゃという意識が強すぎました」。ソフトバンクの育成での再契約打診を断って支配下契約したヤクルト。高津監督の金言が、現在の姿の引き金になった。「『大体ストライクゾーンに投げてくれればいい』と言っていただいて。気持ちが楽になった」と語る。

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