前鷹育成の長谷川が燕で急成長 G菅野も師事した“鴻江理論”で覚醒「意識が180度…」
少年時代から憧れの存在、青木との“共闘”に胸躍らせる「僕にとっては神様…」
もちろん準備も万端にして今季に備えた。昨年12月は広島県でソフトバンク松本裕、楽天森原らと同自主トレを敢行。今年1月には、ソフトバンク千賀滉大投手がプロ1年目から師事する、鴻江寿治トレーナー主宰の「鴻江スポーツアカデミー」の合同自主トレに初参加した。
今季は巨人の菅野智之投手も参加。投球フォームを修正したことが話題になったが、長谷川も例に漏れなかった。目から鱗が落ちたという。「これまでは軸足(左足)にしっかり体重を乗せることを重視していましたが、体が突っ込むくらいでいいと教えていただいて、意識が180度変わりました。右サイドを意識して投げることで変わったと思います」。今月3日、PayPayドームで行われたオープン戦で古巣ソフトバンク相手に自己最速153キロをマーク。意識の変化が、結果に結び付いている。
ブレークの要素は、これだけではない。憧れの球団で、憧れの選手をバックに投げることがモチベーションにつながっている。小中学時はヤクルトのファンクラブに加入。小平市の自宅から神宮球場や東京ドームに足繁く通って声援を送った。「小学3、4年から中学2年生くらいまでよく行きました」と振り返る。
憧れの選手は青木だ。長谷川は先日、自身のツイッターを更新。小学校の卒業文集を公開して“青木愛”を明かしていた。そんなレジェンドとの共闘に、左腕は感激と興奮を隠せない。「僕にとっては神様のような存在。自分の野球人生の中で絶対に欠かせない人です」。そんなレジェンドプレーヤーが気さくに声を掛けてくれることに日々身を震わせている。「今日も『ナイスピッチング』と声を掛けていただいて…もう夢のようです」。
地元東京で水を得た魚のように実力を発揮し始めた左腕。大ブレークの予感がする。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)