「新しいものは作りにいってない」 筒香嘉智、同級生パートナーと日本で仕切り直し
新型コロナウイルスの感染拡大を受け米国から一時帰国した筒香
レイズの筒香嘉智外野手は25日に米フロリダから一時帰国した。関係者によると、新型コロナウイルス感染が広がる米国からの緊急帰国とあって、まずは体調面を整えることから始め、健康状態を確認しながら調整のギアを上げていくという。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、レイズのキャンプ地と本拠地が閉鎖となり、調整の場を確保することが難しくなった。さらに日本政府が26日から米国からの入国者に対して入国制限を実施することから、筒香は緊急帰国を決めた。滞在先のフロリダ州セントピーターズバーグから25日の夕刻に無事帰国。
新型の疫病が猛威を振るう米国。高齢者がかかりやすく重症化するとされてきたが、ニューヨーク州では18歳から44歳までの感染者が全体の46%を占め、その数は3日ごとに倍増している。さらに、南部のテネシー州では直近10日間で感染者が10倍以上に膨れ上がるなど、外出禁止措置を取る州が多くなっている。この現状から筒香は生活制限がまだ緩やかな日本での調整を選択した。
「僕の知り合いは誰も感染していないが、知り合いに限らず日本が心配」
こう話したのは3月初め。あれから3週間で状況は一変した。
オープン戦12試合に出場。2試合目で本塁打を放つなど序盤の2月下旬を快調に飛ばしたが、3月を迎えてからの8試合では内野安打1本に留まり打率は.179に落ち込んだ。それでも揺らぐことなく毎打席に臨み、日本時代に築き上げた引き出しの出し入れで相手と対峙。筒香は「新しいものは作りにいってないです」と歯切れよく言った。
オフの自主トレから付き添い、フロリダのキャンプではレイズのコーチ補佐と打撃投手も担当した横浜高校野球部の同僚、佐野誓耶(せいや)氏も共に帰国。古巣のDeNAベイスターズからは施設の使用を可能な範囲で許可するというお墨付きをもらっている。早くても5月下旬以降の開幕が見込まれる大リーグ。不測の事態を正面から受け止めた筒香は頼れるパートナーと共に日本で仕切り直す。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)