「発想次第で何でも練習に」 西武山川が説く“自宅待機”でも出来る練習法とは…
2日間の自宅待機期間は体幹トレーニングやシャトル打ちで練習
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、プロ野球の先行きも不透明な中、2年連続パ・リーグ本塁打王の山川穂高内野手が“自宅待機期間の過ごし方”を説いた。
西武のA班(1軍)は先週末の2日間の自宅待機を経て、30日にメットライフドームで3日ぶりにチーム練習。山川は「みんなでグラウンドでやる練習は、やはり気持ちいい」と笑顔で汗を拭った。
だが、現時点で想定されている『4月24日公式戦開幕』は厳しい状況となっている。チームもいつ、どれくらいの期間で活動休止に追い込まれるかわからない。そうなれば、選手個々が自宅でいかに体調、技術を維持できるかが重要になってくる。
果たして、どうコンディションを維持すべきか。この疑問に、山川は「『できない』と決めつけず、『何かできるんじゃないか』と考えることが大事だと思うんですよ。発想次第で、何でも練習になる。空気イス(椅子に腰かけているような姿勢をキープするトレーニング)だっていいわけですから」と熱弁を振るった。
山川自身、先週末には自宅で工夫をこらした練習を行った。「自宅マンションの外周3キロを、人と接触しないように気を付けながらランニング。部屋で体幹トレーニング。それに、バルコニーで同じマンションに住むマネージャー兼ドライバーにバトミントンの羽根を投げてもらって、バットで打つ練習をしました」。
“シャトル打ち”は、今年から取り入れている練習法で「風がある時は、則本さんのスライダー、千賀のフォークよりもすごい変化をする」と効果を実感。「シャトルはオレンジ、赤、緑、白の4色があって、白は『走者三塁で、犠牲フライを打つ』、オレンジは『初球。当てにはいかない』という風に決めて打ってます。まぁ、遊びみたいなものですけど、自分を飽きさせないようにやってます」という。
「ホント、なんでもいいと思うんですよ。新聞紙を丸めて打ってもいい。永久に素振りをしても飽きない人は、素振りをやればいい」とも続けた。
今季は「力任せでない、広角の打撃」に改造。オープン戦、練習試合を通じて好調さを見せてきただけに「いつ開幕できるんだろう、という不安はあります」と吐露しながらも「開幕スタートダッシュできるかどうかはわかりませんが、プロ野球はトータルですから。トータルの成績は絶対大丈夫、という自信があります。今年は例年にない、いいバッティングができていて、開幕まで間が空いたとしても、練習方法は決まっていますし、プロ野球は開幕戦1試合で終わりではないので」と言い切った。
選手にとって孤独な調整は容易ではないが、実際の開幕までをどう過ごすかで、シーズン成績に大きな差が出るのは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)