薬物多量使用で危険操縦… 殿堂入りハラデー氏の墜落死に衝撃の新事実発覚
米国家運輸安全委員会が事故の調査報告書を公表
2017年に自身が操縦していた飛行機が墜落し、命を落としたロイ・ハラデー氏。悲運の最後を遂げることになった同氏だが、事故当時、通常の約10倍の薬物を摂取し、危険なスタント飛行を行なっていたことが、米国家運輸安全委員会の調査で明らかになった。同委員会の報告書が公表され、複数の米メディアがこのショッキングなニュースを伝えた。
ブルージェイズとフィリーズでプレーし、2010年に完全試合、その年の地区シリーズでは史上2人目となるポストシーズンでのノーヒットノーランを達成したハラデー氏。サイ・ヤング賞にも2度輝いたが、2017年11月7日(日本時間8日)にフロリダ州沖のメキシコ湾に自家用機が墜落し帰らぬ人に。その2年後の2019年には米野球殿堂入りを果たしていた。
この事故が禁止薬物の多量摂取によるものであることが明らかになった。AP通信は「ハラデーはドラックを使用していて、飛行機が墜落した時にスタントをしていた」とし、米国家運輸安全委員会の報告をレポート。「メキシコ湾に墜落した時、彼は、アンフェタミンを多量に摂取していて、極度のアクロバット飛行を行っていた」と伝えた。
報告書によると、ハラデー氏の体内からは、通常治療などで使用される約10倍にも及ぶアンフェタミンが検出された。さらに高濃度のモルヒネと抗うつ剤も検出されたという。そして、墜落した際、ハラデー氏が操縦していた小型機は海面約1.5メートルの高さまで急降下、急上昇を繰り返していたという。
ハラデー氏はこの墜落したアイコンA5型機を事故の約1か月前に購入したばかり。飛行機の総飛行時間は700時間を超えていたが、このアイコンA5型機の飛行はまだ14時間だけ。墜落した際は、急上昇した後に85マイル(約137キロ)のスピードで急降下して海に墜落したと記事では言及されている。
また、報告書によると、ハラデー氏2013年と2015年の間に2度、薬物乱用のための治療を受けていたとされている。AP通信のマイク・シサック氏によると、ハラデー氏は野球を引退した後、慢性的な背中の痛み、うつ病、不眠症と闘っていたという。
(Full-Count編集部=AP)