イチローのバットには“芯”がない!? 鑑定家・前野重雄さんが明かす王貞治との共通点
マルティネスのサイン入りユニホームをイチロー氏にプレゼントするとキャンプ初日のバットをゲット
これを聞いた前野さんは、カリフォルニア州の仲間に電話を入れ、マルティネスのサイン入り実使用ユニホームを宅配便で送ってもらい、イチロー氏に進呈。「僕から差し上げるものが何もない」と恐縮するイチロー氏から、キャンプ初日のフリー打撃で使用していたバットをゲットした。「まだ何日も使っていないのに、そのバットの先端は塗料が剥げ落ちていました」。
その理由は「メジャーの球審は、日本に比べて低めをストライクに取る。そのため、特にインローを打ちにいく際に、何度も地面を擦っていた」からだ。イチロー氏にとっては、他人にはめったに見せることのなかった、“苦労の跡”といえるかもしれない。
「王さん、イチローさんが残した圧倒的な数字を、今後誰が破れるのかと考えると、全くイメージが沸きません。だから、彼らのグッズは非常に価値があり、目減りしません。鑑定家としてお客様に自信を持ってお勧めできます。その点、大谷翔平さんなどは、今後まだ見続けていかないと本当の価値は判断できないと、僕は考えます」と前野さん。
いま、若いアスリートの中で特に注目しているのは、「八村塁です。実力があり、宣伝部門がしっかりした環境、さらに人柄の良さが伝わってくるところも、人気が長く続くと考えられる要素です。また、渋野日向子、安田祐香も実力、人気ともに伸びそうです」。一方で、「人気商売ですから、すぐ怒る人はダメ。すぐにふくれっ面をしたり、ラケットを叩きつけて折るようなプレーヤーは評価できません」とバッサリ。これが前野流“鑑定の極意”だ。
【前野重雄(まえの・しげお)】 輸入商社『流体力学』代表、海外オークション出展コンサルタント。1953年2月11日、東京下町生まれ。中学時代から安保闘争、全共闘などについての写真・記事を週刊誌などに寄稿。ハワイ州立大でジャーナリズムを学んだ。その後、雑誌記者としてプロ野球の取材にも携わり、91年には小説『川崎ドリーム―川崎球場に客が来た日』で第1回週刊ジャンプ・小説ノンフィクション大賞1位入選。テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』に放送開始当初から鑑定士として出演したのをはじめ、番組出演・執筆多数。4月26日午後7時から、フジテレビ系『ジャンクSPORTS』に出演予定。