【私が野球を好きになった日4】日ハム名物実況「“ゴーンヌ”は言い続けることが大事」 MLB打点王から学んだ“極意”

スポーツアンカー近藤さんの“英語実況”へのこだわり「決め台詞は言い続けることが大事だ」

 元大リーガーだったハレルソン氏はレッドソックス時代の1968年にリーグ打点王に輝き、30歳の引退後にアナウンサーに転身。本塁打を放った時の「You can put it on the board! Yes! Yes!」と叫び、好プレーが生まれた時には「Mercy!」。2018年まで独特のフレーズで、シカゴのお茶の間を楽しませた。

 近藤さんはホワイトソックス戦を現地中継することとなり渡米。現地放送ブースでハレルソン氏から実況の極意を聞き入ったという。

「決め台詞は『言い続けることが大事だ』と。最初は違和感があるけど、『言い続けることで周囲からキャラクターとして認められる』と言われました。この人に私のスポーツアンカーとしての形を作ってもらったと思います」

「(周囲から)“ゴーンヌおじさん”と呼ばれていることは知っています。嬉しいことですし、ありがたいことです。(中継中に)私の顔って10秒ぐらいしか出ないんです。それでも、視聴者の方に認識していただいている。見た目は若い? いやいや、46歳だから、おじさんでいいですよ(笑)」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、近藤さんは日本ハム主催試合、大リーグや他の北米スポーツなど年間250試合の実況が白紙となった。「仕事ゼロ。全ての仕事がゴーンヌ。中継ゴーンヌですよ。今は『戦時中なんだ』と受け止めています」と生活は激変したが、3月18日から動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」で自身の公式チャンネル「Ugk tube!」を開設。同時通訳できる語学力を駆使し、海外のスポーツニュースを日本語で解説している。

「大リーグは7月開幕の可能性と報道されている。だけど、日本のプロ野球は先に復帰して欲しいし、復帰できると思っています。日本が世界の模範となる国になってほしい。スポーツ活動は平和が戻ってきた象徴的な人間活動。何とか世界で最初に実現する国であって欲しいなと思っています」

 1日も早い新型コロナウイルスの収束を願っている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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