【球界と共に5】「昔のまま変わっていない」 王会長も危惧するプロ野球界の未来

16球団が3軍を持ち計48チーム、各都道府県に球団を

 ただ、課題もあるのも事実だ。球団経営が成り立つのか、観客動員数の大幅な差、チーム戦力の格差など上げればキリがない。それでも将来のプロ野球界を考えると課題を消化し実現する必要もあると考える。

「楽天、日本ハム、ダイエー(現ソフトバンク)が地方で成功を収めている。いい選手を争奪するのではなく全球団が育成に力を注ぐ。独立リーグなども巻き込んで仮に16球団ができ、全てのチームが3軍を持つと計48チームができる。各チームの2、3軍が同じ場所にフランチャイズを持たなければ各都道府県に球団を持つことができます。もう1回、野球界がチャレンジできる時期だと、このピンチをチャンスと捉えることが必要ではないでしょうか」

 エクスパンションを実現させるには影響力のある人物が率先して動き、周りを巻き込んでいくことが必要不可欠だ。

「王会長は“巨人の王”から殻を破り、“ホークスの王”になってくれた。ホークスを強くして3軍も作り球界のトレンドを作っている。この改革は選手会、NPB全てを巻き込まないと実現は厳しい。王会長が16球団構想を口にするとやはりインパクトが違う。これを私が言っても全員が?になるでしょう。球界を変えることができる人物は限られているのです」

 瀬戸山隆三(せとやま・りゅうぞう) 1953年9月18日、神戸市生まれ。大阪市大を経て1977年ダイエー入社。ダイエー(現ソフトバンク)、ロッテ、オリックスのフロント職を務める。現在は中部衛生検査センター相談役、千葉商大客員教授。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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