322連続無失策とハマスタ名物“目玉チャーハン”… 山下大輔が語る大洋の記憶
関係者食堂で名物の目玉チャーハン「僕が最初に頼んだ」
一方で山下さんは、開場43年目を迎えた横浜スタジアムに、意外な“爪痕”を残している。「チャーハンに目玉焼きを載せるのは、僕が最初に頼んで特別に作ってもらったものです。当時はナポリタンとか、ミートソースとか、いろいろなものに目玉焼きを乗せてもらっていました」。いまや選手、報道陣も利用する関係者用食堂で、目玉焼き2個を載せる『目玉チャーハン』は看板メニューである。
14年間の現役生活では1度もリーグ優勝に手が届かず、チームが「横浜ベイスターズ」に改称後、98年にヘッドコーチとしてリーグ優勝、日本一に貢献した山下さん。それでも、決して強くはなかったけれど、個性派ぞろいで愛らしいホエールズ時代を懐かしむファンは少なくない。
新たな歩みも始まった。山下さんは、今季からルートインBCリーグに参入する神奈川フューチャードリームスのGMに就任。「お世話になってきた神奈川に恩返ししたいですし、選手がNPB(日本野球機構)入りの夢をかなえる手助けをしたい。地元の野球ファンの方々には、ベイスターズの弟分としてかわいがっていただけたら」と意気込む。
チームは主に藤沢翔陵高のグラウンドを、生徒が使用しない時間帯に借り練習を積んできたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、4月11日に予定されていたBCリーグの今季開幕は、当面5月中旬以降に延期。4月18日に横浜スタジアムで行われるはずだった、神奈川フューチャードリームスのホーム開幕戦も水泡に帰した。
「チーム名のように、未来に明るい夢を持ってこの難局を乗り越えて行きましょう」とメッセージを発表した山下さんの胸には、ハングリーな“ホエールズ魂”が脈打っている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)