【私が野球を好きになった日14】「人生が変わった」 路上ライブ音楽家を変えた野球の力

札幌ドームで受けた忘れられない野球の熱「鳥肌がたちました。この歌を作ってよかった」

 元々は「野球選手のオリジナルソングを作ろう」と音楽活動を始めたわけではない。それでも、中田から登場曲としてお願いされて作った一曲は、多くのファンの心をつかんだ。

「最初は誰にでも伝わるような歌詞を書くようにしていたんです。ただ、(中田が)『オレの曲ってのがいい』と言っていたので、『My HERO』は僕が知ってる中田翔そのものを書こうと1日で曲も詞も全部作りました。全ての曲に思い入れがありますが、『My HERO』は人生が変わった曲です。こんなにたくさんの方に届くとは、当初は想定もしていなかったので」

 野球選手での人気も広がり、楽天・涌井、巨人の澤村拓一投手ら多くのプロ野球選手が登場曲として使うようになった。これまでに日本ハム本拠地・札幌ドームの試合前には中田の登場曲「My HERO」などを披露。グラウンドで感じる野球ファンの熱量は今も忘れられないという。

「1回目より2回目がビーグルクルーの認知度が変わってきたなぁという印象でした。そして3回目のパフォーマンスで満員のお客さんの『SHOW TIME』の合唱が、最高に大きくて鳥肌がたちました。本当にこの歌を作ってよかった。中田選手が使ってくれてよかったと思う瞬間でした」

 新型コロナウイルスの影響を受け、プロ野球の開幕は延期に。2月から4月までのライブやイベント出演は全て中止になるなど音楽活動にも大きな影響を及ぼしている。さらに、6月10日にベストアルバム「CREWSING BASE BALL BEST」の発売が控える中、NARIさんが無期限活動休止。2020年は音楽活動の大きな転換期となっている。それでも、YASSさんは野球から学んだことを胸に秘めて乗り越えていくつもりだ。

「ベストアルバムのプロモーション、ライブイベントを1人で回らなきゃいけない。そんな状況なのに、世の中がこの状況ではかなりの打撃ですね。正直、この状況では、発売日もシャレにならない展開になりそうです(笑)。ただ、チームプレーだったり、負けられない気持ちだったり、笑顔を忘れない気持ちだったりを詰め込んでいるので、その気持ちは忘れず、ポジティブにいこうと思います!」

 再びビーグルクルーの音楽がスタジアムに流れ、さらにファンを盛り上げる――。そんな日が必ず来ると心待ちにして音楽活動を続けていく。

【動画】日ハム中田翔が友情出演! ビーグルクルーYASSさんが「人生が変わった曲」と振り返る名曲PV映像

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