MLB開幕案に選手が次々に反対 年俸削減を拒むスネルにアレナド、ハーパーら賛同

ロッキーズのノーラン・アレナド【写真:Getty Images】
ロッキーズのノーラン・アレナド【写真:Getty Images】

アレナド「いずれにせよ僕らは年俸の全額をもらえない」

 新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が延期となっているメジャーリーグ。現在、MLB機構と選手会の間で開幕案についての協議が行われており、7月4日(日本時間7月5日)の独立記念日前後の開幕を目指すこの案では、総収入を球団と選手で折半することも盛り込まれている。

 すでに試合数に比例した額への減俸で合意していたMLBと選手会。現在、協議されている開幕案では、年俸がさらに減俸となるとされる。MLBと選手会の間で合意に迫っているとされるが、これに選手たちから反対の声が相次ぎ、賛否を呼んでいる。

 まず、声をあげたのはレイズのブレイク・スネル投手。ソーシャルメディア「Twitch」に投稿した動画を米スポーツ局「ESPN」が紹介し、記事でスネルは「僕が(更なる)減俸を受け入れることは現実に起こらないと思う。それを皆、理解してくれないとね。リスクが非常に高いからね。僕は給与をもらう必要がある。給与が支払われないなら、プレーしないよ」などと語り、3月末に合意した案でないとプレーはできないと主張した。

 このスネルの発言に同調する声も上がった。その1人がロッキーズのノーラン・アレナド内野手だ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」がレポートし、記事の中で「彼(スネル)は素直になっていたんだと思う。本音を喋っていたんだ。彼は良い主張をたくさんしていた。正しいことも彼は主張していたよ。それらの多くは誤解されているんだ。世論から理解を得ることは、僕たちの思うようにうまくいかないものだから」と語り、スネルの意見に賛同した。

 アレナドは「世の中の人たちは、僕たちが試合をしたいということを理解すべきだ。ここでの誤解は、完璧な状況でなければ選手たちがプレーしたくないと思われていること。それは事実ではない。今季は何も完璧に進んていくものはないと、僕らは理解しているんだ。『選手なんて、お金を全額貰えるならプレーしたいってだけだろ』と思う人もいることは、僕もわかっている。いずれにせよ僕らは(契約で保障されているはずの年俸)全額を(今季は)もらえない。だけど僕たちは、それでも試合に出場して、ファンの目を楽しませたい」とも。選手の思いをファンに理解してもらいと語っている。

 さらにスネル同様「Twitch」に登場したフィリーズのブライス・ハーパーを米メディア「masslive.com」が報道し、ハーパーのコメントを紹介。スネルの発言に対して「彼は嘘をついていない。彼は正しいよ。彼は本当のことを喋っているんだ。僕は彼に対して怒っていないよ。誰かが口を開かないといけないことだから。彼は毅然とした態度で発言した」と語り、スネルの考えに同意していた。

 開幕に向けて動き出したメジャーリーグだが、MLB側と選手の思いには隔たりがあるよう。果たしてどういう形で決着するのだろうか。

(Full-Count編集部)

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