鷹内川、夏の甲子園中止で球児を気遣う 「悔しいという思いを隠す必要はない」
投手との合同練習開始に「チームでの時間が動き出した」
ソフトバンクの内川聖一内野手が20日、PayPayドームでの自主練習後にオンライン会見に登場。投手と野手の合同練習の感想とともに、この日“夏の甲子園”の中止が決まったことを受けて高校球児たちへの思いを熱く語った。
19日から午前組と午後組に分けて投手と野手の合同練習を開始。内川もさっそく投内連係やシートノックに参加したほか、19日には打撃練習で石川柊太が投じるボールを打ったという。「やっとチームの中で時間が動き出したという気持ち。(投手と野手が)お互いの仕事を確認しながら練習ができました」という内川は、久しぶりの“投手が投げる生きた球”に「やっぱ速かったですね。人が投げると(マシンと)同じ球速でも違う」と、素直な感想を口にした。
おぼろげながら見えてきた6月の開幕に「ここまでプラスもマイナスもない、メリハリのない毎日を過ごしてきましたが、シーズンに向けて気持ちが切り替わりスイッチも入ってきている」という。
この日の練習中に夏の甲子園の中止が決まったことに「え? 決まったんですか」と残念そうな表情を浮かべ、そこから高校球児に内川なりの熱い言葉が続いた。
「僕が生まれた頃から父が(高校野球の)監督をやっていたので、甲子園への思いとかそこに携わる人の思いを感じる機会が多かったので、やらせてあげたかったですね……」とし、高校球児たちの今の気持ちに寄り添うようにこう語った。
「辛いとか、きついとか、悔しいという思いを隠す必要はない。そういう気持ちを抱え込んで進んでいくのは、そう簡単にできることじゃない。親でも監督・コーチでも先生でもいいから、球児たちの本音を聞いてあげてほしい。吐き出せる相手がいれば救われる」
21年前の夏、甲子園を目指していた内川も「甲子園があったから負けてあれだけ泣けたし、あれだけ悔しがれた」と振り返る。「僕の気持ちとしては100%やってほしい」としながらも「開催の責任は絶対あると思うので難しいところですね」と主催者側の苦渋の決断にも理解を示していた。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)