カーショー、前田健太の素顔紹介…ド軍トレーナーが少年少女に与えた夢の時間
カーショーは「全員から三振を奪うことを考えている」
小学4年生の選手からは、試合前の気持ちの作り方について質問された。「いい投手は自分が勝つことだけを考えているんだよ」とドジャースのエース左腕、カーショーの名前を引用。「彼はすごいルーティンを持っています。特に試合が始まる前はシミュレーションしています。試合に投げる日は起きる時間、食べる物、車のエンジンを動かす時間、球場入りする時間、トレーナ―室に入る時間、トイレ……すべての動きと時間が決まっています」と紹介すると、子供たちは驚いた様子だった。
中島さんがある日、試合の入り方をカーショーに聞いたところ、「全員から三振を奪うことを考えている」と返答されたという。「すごい投手、打者、それから監督、みんな負けることは考えていないんだ」と子供たちに強いハートを持つ大切さを伝えた。
他にも「どうやったら前田健太投手のようになれますか?」とドジャース在籍時に同僚だった右腕について問われると「彼はもしかしたら野球の天才かもしれない」と語りだし、常に野球を楽しんでいること、探求心を持っていることなどを紹介。疲労回復を早くする方法については「いつも僕たちは選手に、睡眠時間、眠る1時間前に携帯電話などをいじっていないか、朝ごはんは食べたかなどを聞いています。みんなも眠る前にゲームとかしていませんか?」と投げかけ、きちんとした睡眠、食事をとる重要性などを伝えた。
少年野球では指導者も正しい見識を持つことが重要だ。今回、参加チームは指導者からの質問もあり、目標設定を持たせることや、投球数の制限などについての意見交換が行われたオンライン講演会とはいえ、子供たちからもたくさんの質問が飛び交い、有意義な時間となった。小学生対象の講演は初めてだったという中島さんは「アメリカで育てている自分の子供と考えることは似ていると思いました。実際にお子様方の顔を見ながら質問を受けたりすると表情が見られるので、とてもテンションが上がりましたし、話し易かったです」と振り返った。
中島さんは現在、ドジャースタジアムで選手たちがトレーニングを再開できるように準備を進めている。トレーナーもローテーション制で、週に4回、スタジアムに行っているという。今回、参加した子供たちがグラウンドで白球を追いかける日が早く来ることを願うのと同時に、いつか、どんな形であってでもいい――メジャーリーグの舞台で再会できる日も楽しみに待っている。自粛中だったからこそ、得られることができた貴重な体験。子供たちも忘れない一日になってほしい。
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(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)