記録更新は可能なのか? 巨人菅野、鷹千賀、楽天則本昂らに期待される9連続奪三振

江夏豊の9者連続三振に挑んだのは江川卓、惜しくも8連続

 セ・リーグ先発でマウンドに上がった江夏は、パ・リーグの名だたる打者たちをすべて空振り三振で切って取った。9人目の加藤秀司は、ファウルで逃れようとした。江夏は、捕手の田淵に「(ファウルを)捕るな」と叫び、最後は4球で空振り三振に切って取った。

 巨人の江川卓が1984年のオールスター戦で、これに迫る「8連続奪三振」を記録した。この時は、9人目の打者の大石大二郎(近鉄)が、かろうじてバットに当てて二塁ゴロとし、タイ記録を阻止した。オールスター戦は1人の投手が投げることができるのは最長で3イニングと決められている。江夏の記録は、ルールが変更にならない限り今後も更新されることはない。

 あまり知られていないが、公式戦での連続奪三振も「9」が最高だ。阪急の梶本隆雄が1957年7月23日の南海戦で記録した。3回裏、先頭の投手皆川睦男から三振を奪ったのを皮切りに、6回までに9人の打者を打ち取った。しかし7回裏、再び打席が回ってきた皆川に中飛を打たれて途切れた。

 それまでの記録は、金田正一、大友工らが記録した7連続奪三振だった。これを2つも更新する大記録だった。選手たちはそのことは知ってはいたが、梶本本人もそれほどの価値がある記録とは考えず、投手の皆川に記録を阻止された。

 梶本は江夏と同じ左腕。通算254勝の大投手。通算の奪三振率は6.30と高くないが、1イニング3者連続3球三振を2回も記録。これはNPB記録。梶本は三振にはこだわらなかったが、取ろうと思えばとることができる投手だった。

 さらに翌1958年5月31日の西鉄戦では東映の土橋正幸が9連続奪三振を記録。また8連続奪三振は1960年に大洋の鈴木隆、1962年に東映の尾崎行雄、1990年に西武の潮崎哲也、1996年に西武に西口文也が記録している。

ここ10年では阪神能見、藤浪、巨人菅野、杉内、ソフトバンク森らが7連続奪三振

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