元大洋・屋鋪要氏が語る“スーパーカートリオ” 1イニング3盗塁死も「常にノーサイン」
1980年代に驚異のベストタイム11秒1
スーパーカートリオが成功した要因を、こう分析している。
「ある試合で、1番高木が出塁して盗塁に失敗し1アウト。加藤が出塁して盗塁失敗で2アウト。屋鋪も出塁して盗塁失敗で3アウト、ということがありました。さすがに近藤監督もその時ばかりは『壊れた耕運機か!』と怒っていましたが、何度失敗しようが、常にノーサインで自由に走らせてくれました。おかげでアウトになることを恐れなくなりました。『足にスランプはない』と言う野球評論家がいますが、そんなことはありません。びびったらスタートを切れませんから」
また、当時シーズンオフに行われていたプロ野球選手の運動会で、100メートル走では敵なしだった。「ベストタイム? 大したことはないですよ。11秒1くらいじゃないかな」と事もなげに言うが、当時は日本記録も10秒台中盤で、陸上用のスパイクを履かずにこの記録はやはりすごい。
次回は巨人移籍後や近況について聞く。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)