西武に犠打は不要? 犠打数と得点力は比例するのか、直近5年のパ・リーグを振り返る

送りバントが得点に結びついているチームと、そうでないチームの違いは?

 一方、オリックスの場合も吉田正やロメロのようなパワーヒッターを擁していたが、両名ともシーズンの打点が90を上回る年はなかった。強打者が限られているチーム事情ゆえに徹底マークに遭う可能性が高いこともあるだろうが、バントによって相手にアウトカウントを与えることで、複数の走者を溜める可能性を減らしていることの弊害が表れている可能性はある。

 ただ、MLB通算282本塁打を誇る新助っ人のアダム・ジョーンズが加入した今季は、ポイントゲッターの増加に伴い、吉田正へのマークが分散する可能性もある。オリックスにとって今季は、得点力不足に悩まされてきた過去数年間の状況を打破する大きなチャンスでもありそうだ。

 また、2016年にはリーグ5位のロッテでも120犠打を記録していたが、2019年には98犠打の楽天が3位になっており、リーグ全体で犠打の数字が減少傾向にある。セイバーメトリクス的な観点ではバントは得点効率を下げる作戦とされているのは先述した通りだが、日本にも浸透しつつあるそういった概念が、各チームの攻め方にも影響を及ぼしているかもしれない。

 以上のように、送りバント一つをとっても、チーム個々の戦術の変遷や、リーグ全体のトレンドの変化の一端を垣間見ることができる。時代が移り変わっても重要な作戦の一つであり続けている犠打の使われ方、そしてその数の変遷について今後も注目し、好きなチームの攻め方の変化を知ってみるのも一興ではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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