最高のフォーシームの使い手は誰か? 謎の解説者お股ニキが独断で厳選

見逃してはならない「プラス1」は… ドジャース右腕ビューラー

【プラス1】ウォーカー・ビューラー(ドジャース)右投
回転効率84.6% 平均球速96.8マイル(約155.8キロ) Spin Axis 0:33 2456回転 
空振り率10.4% 使用割合53.2% 被打率 .205 ピッチバリュー/100:1.4

 シュートライズするヘイダー、コール、そしてカット・真っスラ気味のグラスノーが投げる4シームの中間的な性質とも言えるのが、このビューラーの4シーム。この球はまさに“ロマンの塊”であり、浮き上がるように見える軌道は多くのプロ野球選手にも人気だ。

 高速・高回転・高いリリースポイントから投げ込み、ややシュート変化を抑えたボールは本当に浮き上がって見える。回転効率84%、spin axis0:33というデータも、ちょうどシュートライズとホップカットの中間的な軌道であることを示す。

 このように投げ方やリリースポイント、回転軸の傾きは様々であるとは言え、それぞれのアームアングルやフォームと最適な組み合わせが見つかれば、4シームは浮き上がるような軌道を描く。結局、打者の想像以上にホップしてバットの上を通るような軌道の方が効果的で、ストライクゾーン内で勝負しても空振りが取れる傾向がある。球速にかかわらず投手なら、ぜひ目指してもらいたい形だ。

※回転効率:総回転数のうちボールの変化に影響を与える回転数の割合。

※Spin Axis:回転軸の傾き 時計盤の中心にボールがあると考えて“時間”で表記。例えば「6:00」の場合、ボールは投手からホーム方向へ12時から6時へ下向きの回転(トップスピン)をすることを示す。「12:00」の場合は6時から12時へ上向きの回転(バックスピン)、「3:00」の場合は9時から3時へフリスビーのような右向きの回転(サイドスピン)、「9:00」の場合は3時から9時へ左向きの回転(サイドスピン)となる。

※ピッチバリュー/100:その球種が生み出した得点貢献(期待失点の減少)を、100球投じた場合の平均に直したもの。例えば、ある投手の4シームが2.00ならば、「4シームを100球投げることで平均よりも2点の失点を減らした」ことになる。

(お股ニキ / Omataniki)

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