日ハム栗山監督「ナベは30発打つ」 昨季11本塁打、13年ドラ1男の覚醒を予言

日本ハム・渡邉諒【写真:石川加奈子】
日本ハム・渡邉諒【写真:石川加奈子】

7年目・渡邉は6月の練習試合再開後11試合で打率.407をマークした

 プロ野球開幕を心待ちにしながら日本ハムの取材ノートを整理していたら、思い出深い言葉を再発見した。「F取材ノート~心に残ったあの言葉」として改めて紹介したい。今回は、渡邉諒内野手の長距離砲としての能力を高く評価する栗山英樹監督。

「ナベは30発打つと思っているので」

 3月14日に札幌ドームで行われたDeNAとのオープン戦の試合前、栗山監督は渡邉の大躍進をサラリと予言した。疑う余地すらないとでも言いたげなキッパリとした口調。そこまでの数試合で2番を任せており「彼の良さは長打。2番で(その良さが)消えないようにという話を本人にもした」と語っていた。

 2013年のドラフト1位で入団した渡邉の台頭を待ち望んでいた。「(東海大甲府)高校2年夏の甲子園も見ていた。能力が高いから(ドラフトで)上位にきている。その能力を引き出してやらないと、チームは勝てない」と話していたのは昨年5月11日のこと。8月3日には「ナベが持っているものはこんなもんじゃない」と言った後で「ナベは取り組み方が変わらない。野球に対しての本質的なものが、横着になったりしない」と続け、不断の努力がいずれ実を結ぶことを確信していた。

 二塁で使い続けた昨季は132試合に出場し、プロ6年目で初めて規定打席に到達。打率.262、11本塁打、58打点でレギュラーの座を不動のものにした。

 今季、渡邉は幸先の良いスタートを切っている。オープン戦は12試合に出場して42打数14安打、打率.333。6月の練習試合も11試合で27打数11安打4打点、打率.407の好成績を残した。12日の巨人戦で菅野から本塁打を放つなど、5番に座った最終5試合で16打数8安打3打点と好感触で19日の開幕戦に臨む。初めて開幕戦のスタメンに名を連ねることは確実だ。

 昨オフの契約更改後の会見で渡邉は「ホームランと打点は今年以上の成績を残したいです。ホームランバッターではないので、(本塁打は)2桁いけばいいなという感じ」と語っていた。まだ本人にも芽生えていないアーチストとしての才能が、栗山監督の予想通りに開花するか。

 6月の練習試合で3発放った中田翔内野手と大田泰示外野手に渡邉を加えた3人で30発トリオを形成できれば、昨季93本とリーグ最少だったチーム本塁打数は大幅に増えるはず。日本の環境に適応しつつある2年目の王柏融外野手、覚醒が期待される3年目の清宮幸太郎内野手、成長著しい2年目の野村佑希内野手や万波中正外野手らも台頭すれば、超重量打線ができあがる。6月の練習試合で12球団トップの19本塁打を記録した日本ハム。栗山監督が予言した渡邉の30発とともに、打線がどれだけアーチを量産するのか楽しみになってきた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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