なぜ方程式を起用しなかった? 鷹の今季初黒星に見えた勝利と我慢のジレンマ
7回途中から送った松本が8回に突如乱れて勝ち越しを許したソフトバンク
■ロッテ 3-2 ソフトバンク(20日・PayPayドーム)
ソフトバンクは20日、本拠地PayPayドームでロッテ戦を戦い、2-3で敗れて今季初黒星を喫した。同点で迎えた8回に2番手の松本が自身の暴投で勝ち越し点を献上して競り負けた。これで開幕カードは1勝1敗となり、21日の第3戦でカード勝ち越しをかけることになる。
勝負を分けたのは終盤の投手起用だった。7回1死二塁でソフトバンクベンチは先発の和田毅投手に代えて、2番手に松本裕樹投手を送った。松本は後続を斬ってピンチを脱出。回を跨いで8回も続投したが、これが裏目となってロッテ打線につかまった。
先頭の藤岡に四球を与えると、荻野の犠打で藤岡は二塁へ。角中の一ゴロ、安田への四球で2死一、三塁となると、レアードへの5球目を引っ掛けてこれがワイルドピッチに。勝ち越し点を献上すると、レアードには中前適時打を浴びて、この回2点目を許した。松本はマーティン、中村奨にも四球を与え、ここで降板となった。
試合後、工藤公康監督はこの松本の突如の乱調に「今年は良くない時は引っ掛かったりとか抜けたりしている。そこはまた投手コーチとも話をしてもらえたらなと」と淡々と振り返り「みんな初登板なんで、緊張感もあるだろうし、思うところもあるだろうし。最初から調子がいい日ばかりではないし、また明日切り替えてね、しっかりやり返すつもりでやってほしい」と責めなかった。
1-1の同点の試合展開。延長10回まで、ということも考えれば、本来なら嘉弥真やモイネロ、岩嵜、森といった勝ちパターンの投手を注ぎ込んでもおかしくないところだった。だが、工藤監督は敢えて第2先発要員としてベンチに置く松本を送り、そして8回もマウンドに上げた。