西武與座、“絶滅危惧種”アンダースローの美学 プロ初登板黒星も「快感がある」

西武辻監督も評価「非常に今後につながる。イケると感じた」

 3球の球速がほとんど同じで、いずれもストライクゾーンをわずかに外れていたのがミソだった。続く渡辺にはフルカウントから、外角高めにボール気味の127キロのストレートを投じ、ハーフスイングを誘って三振に切って取った。

 試合は救援投手陣が打ち込まれ、2-12の大敗となったが、辻監督が「與座はよく投げたと思うよ。ホームラン2本は甘く入ったのをうまく打たれたけど、しようがない。非常に今後につながる。イケると感じた」と高く評価したのも当然だろう。

 ドラフト5位で岐阜経済大(現・岐阜協立大)から西武入りしたが、入団前から炎症を抱えていた右肘の状態が悪化。2軍戦にすら登板できないまま、1年目の一昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成選手に降格した。地道なリハビリに耐え、昨年9月に2軍戦2試合に登板。11月に支配下登録選手に復帰したばかりだ。

「今まで支えてくれたトレーナーさんや周りの方々への感謝を胸に、マウンドに上がりました」と心境を吐露した。初白星こそお預けとなったが、手薄な先発投手陣にあって不可欠な存在となりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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