野球観戦の新たな形 楽天が取り組む“オンライン応援”の可能性

1人での観戦でも楽しめ、興奮を覚えたオンライン応援イベント

 イベントが開始すると、まず球団公式応援パフォーマーによる応援の練習が行われる。オンラインでの応援はファン同士の顔がよく見えるので、最初は少し恥ずかしさがあるが、ここは楽しんだもん勝ち。ビデオはオンにして、近隣の住宅に迷惑がかからない程度の大きな声でチームの勝利を願いエールを送る。

 攻撃時にはチアやマスコットも加わり楽天生命パークさながらの応援パフォーマンスで盛り上げてくれる。それに合わせてタオルを振ったり応援歌を歌っていると、恥ずかしさは消え、自宅から1人で応援していることを忘れるほど楽しめた。中でも試合中に何度も訪れる、スタジアムの大型ビジョンにイベント参加者が映し出される時間はテンションアップ。ランダムで映し出される参加者の中に自分を見つけた瞬間と、その様子がテレビ中継にバッチリ映し出された瞬間は、はしゃいでしまった。

 離れた場所から応援するファンと、球場・選手の距離を縮める新たな観戦体験を通し、これを機にさまざまな事情を抱えて球場に足を運べないファンの応援方法の選択肢が広がれば、チームをより身近に感じ、チームとファンの新しいコミュニケーションの形が創出されるのではと、今後の展開に期待せずにはいられなかった。この日、楽天は見事ホーム開幕戦に勝利。ファンは皆、笑顔で拍手を送り、ゲストOB有銘さんの音頭で「カンパイ!!」。勝利の喜びを共に分かち合うと、画面にはサプライズ映像として、グラウンドレベルで撮影している独占ライブ映像が。イベント参加者のみが臨場感たっぷりの映像を楽しむことができた。

 7月から観客動員を目指すことが発表され、少しずつではあるが、プロ野球も従来の形を取り戻しつつある。しかし、突如訪れた難局を乗り越えるべく、各球団が工夫を凝らし提案してくれる新たな観戦方法を今は思い切り楽しんで、満員の球場で声援が送れるその日まで、「ウィズコロナ」でチームを応援していきたいと思う。今回参加したイベント詳細や参加方法は球団公式HPを。

(「パ・リーグ インサイト」池田紗里)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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