「同情はしたい。でも…」専大松戸・持丸監督が100日ぶりの練習で激怒したワケ

専大松戸・持丸修一監督【写真:荒川祐史】
専大松戸・持丸修一監督【写真:荒川祐史】

約100日ぶりの練習再開は、怒号飛び交う中でのスタートとなった

 第102回全国高校野球選手権大会の中止が決まり、約1か月。代替大会、引退試合、上の舞台、将来の夢……。球児たちも気持ちを切り替え、新たな目標に向かってそれぞれのスタートを切っている。新型コロナウイルスは彼らから何を奪い、何を与えたのか。Full-Countでは連載企画「#このままじゃ終われない」で球児一人ひとりの今を伝えていく。

 千葉県の規定により、2月28日から6月15日まで100日以上もの間、一切の活動中止に追い込まれた専大松戸。久しぶりの活動再開直後、持丸修一監督の目に映った選手の姿は、必ずしも満足のいくものではなかった。

「キャプテンを通じて走ったりなんだりはやっとけと言ってたんですが、指導者の見てない自主練には限界がある。やっぱり動きは鈍くなってますし、すぐに練習試合をできるような状態ではなかった。メンタル的にも体力的にもレベルの低下は明白で、指示を出しても動けない。まだ春休みの延長というか、五月病みたいな感じでしたね」

 新入生が素振りに励むなか気持ちの入らない3年生に、持丸監督はじめコーチ陣は激怒。「甲子園がなくなったら適当でいいのか!」。久々の練習再開は怒号が飛び交うなかでのスタートとなった。

 若干18歳の子どもたちにとって、目標を喪失してなお努力を続けることは難しい。持丸監督も「勉強はいくつになってからもできるが、高校野球は今しかできない。この子らは春も夏も、本気で勝つことも負けることもできない」と彼らの思いは汲んでいる。ならばなぜ、100日ぶりの練習であえて辛辣な檄を飛ばしたのか。

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