鷹・千賀が最速161キロで今季初勝利 藪恵壹氏が語る剛腕ストラスバーグとの共通点

千賀の最速161キロの衝撃「ボールが手から離れてミットにつくまで、すごく短かった」

 藪氏は千賀について「もちろん、いい投手」と高評価。160キロを推移する速球についても「ボールが手から離れてミットにつくまで、すごく短かった」と振り返る。

 だが、楽天の打者たちはそんな剛速球にも対応。鈴木大が捉えた球はスライダーだったが、速球にもバットを当ててファウルで凌いだ。完全無欠とも思える剛速球が、なぜ打たれるのか。藪氏は「打者の技術も上がっていますよ」と話す。

「茂木選手や鈴木大地選手も真っ直ぐは振り遅れていましたね。前には飛んでいませんでした。唯一捉えていたのは島内選手ですかね。それでも、タイミングが合えば160キロの剛速球でもバットには当たります。投手のレベルも上がっているけれど、打者の技術も同じくらい上がっている。今はマシンで170キロまで練習できますし、1軍クラスの打者は真っ直ぐと分かっていれば対応できますよ」

 いくら球速が出ていても、タイミングを外す工夫をしなければ、打者の目が慣れてきてしまうというわけだ。

 この日、代名詞とも言えるフォークの調子がいまいちで、途中制球に苦しむ様子も見せた千賀だが「復帰登板としては十分でしょう」と藪氏。ストラスバーグのデビュー戦と同じように初勝利も飾った。

「2人とも勝ち運を持っていますね」

 本調子ではなくても勝利を引き寄せる。日米を代表するエースには、そんな強運も共通しているようだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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