「野球人生で一番緊張」 ロッテ新人・佐藤都志也が語るプロ初安打サヨナラ打前夜
期待のドラフト2位ルーキー捕手、プロ初安打の打席は「すごく冷静だった」
6月26日に行われた本拠地オリックス戦。ロッテのドラフト2位ルーキー・佐藤都志也は「野球人生で一番の緊張でした」と振り返る。
6-5の1点差で迎えた9回表。直前の攻撃で代打を送られた柿沼友哉に代わり、捕手として送り出されたのが佐藤だった。前日に代打で1軍デビューを果たしてはいたが、守備に就くのはこれが初めて。逆転した直後、1点リードを守る大事な場面で、守護神・益田直也の球を受けることになった。
「すごく緊張していました。緊張して、どんな顔をして受けていたのかも覚えていません(笑)」
福島の名門・聖光学院で夏の甲子園を2度経験し、東洋大学では主将を務め、侍ジャパン大学代表にも2度選出されている。シビれる場面には幾度となく遭遇してきたが、やはりプロとして初めてマスクを被った試合は、何物にも勝る経験だったようだ。
試合は、2死から2四球で一、二塁としたが、最後は代打の松井雅人を二ゴロに打ち取って試合終了。ベテラン益田とのバッテリーで1点を守り抜いた経験は、大きな自信となった。
その翌日の同カード。またもや手に汗握る場面で、佐藤の出番がやってきた。1-1の同点で迎えた延長10回裏、2死一、二塁。井口資仁監督が代打として送り込んだのが佐藤だった。今季は特例として10回終了時で同点だったら引き分けとなる。負けることこそないが、今季は試合数が少ないだけに1勝か1分けかの差は、のちのち大きく響くだろう。チームの勝利がかかった重要な打席に立ったルーキーは、意外にも「すごく冷静だった」という。
「前の日にキャッチャーでの出場を経験したから、あの場面ではいつも通り打席に入ることができたんじゃないかと思います。変な力みもなくて、来た球に対して積極的に反応できました」
オリックス6番手の澤田圭佑が投げた初球127キロのチェンジアップを振り抜くと、打球は右翼手の頭上を越えるサヨナラヒットに。プロ初安打初打点がサヨナラというおまけ付き。「打った後はもうほとんど覚えていないです(笑)」というのも無理はない。