“もう一つのプロ野球”から“一つのプロ競技”へ eBASEBALLのビジネス化に迫る
さまざまなゲーム大会のなかで「eBASEBALL プロリーグ」にしかない魅力とは
さまざまなゲーム大会の開催が増えるなか、「eBASEBALL プロリーグ」にしかない魅力とは何か。
「まず実際のプロスポーツがあり、それをけん引しているNPBとKONAMIとの共催で行われている点です。選手データは実際のプロ野球の成績を反映しているので、完全なバーチャルではなく、リアルのプロ野球の影響を受けるところは、野球ゲームファンだけではなく、プロ野球ファンにも楽しんでいただけるかと思います」と谷渕氏。さらに、プレイヤーについてはこうも語る。
「プロプレイヤーには学生時代に野球をやっていた方が多いです。ケガで野球や他のスポーツのオリンピック日本代表の道を諦めた方、『eBASEBALL プロリーグ』に参加するために公務員を辞めた方、現役の球団職員の方など、個性あふれるプロプレイヤーが多くいます。彼らがeスポーツという舞台でプロ入り、そして日本一を目指す過程を楽しむことができるのも、本物に近い構成が一因であると思います。この筋書きのないドラマをより多くの方々に楽しんでいただきたいです」
現実のプロ野球と重ねたり、比較するのはプレイヤーにとっても、ファンにとっても楽しみの1つで、「eBASEBALL プロリーグ」にしかないものだろう。なにより、プレイヤー個人の力やリーグにかける思いはまさに“プロ”であり、実際のプロ野球選手に勝るとも劣らない。最後に谷渕氏は「課題は山のようにありますが(笑)」と踏まえた上で、今後の課題を語った。
「大きなところでは『eBASEBALL プロリーグ』の認知拡大、コンテンツの更なるブラッシュアップ、そして何よりビジネスとして成立させていくことです。課題は多いですが、これまでの経験で得たものも多くあり、賛同者も少しずつ増えてきていると感じています。『eBASEBALL プロリーグ』は、他のeスポーツと状況が異なるところが多いと感じていますので独自で正解を探し出さなければいけないとも思っています。“野球のeスポーツ”ではなく“eBASEBALL プロリーグ”を追い求め、創り上げていければと思います」
eスポーツはまだマイナーな存在だ。だが、将来的には大きなコンテンツとして期待もされる。「eBASEBALL プロリーグ」は“もう一つのプロ野球”から“一つのプロ競技”へ。その歩みは確実に前へ進んでいる。
(「パ・リーグ インサイト」丹羽海凪)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)