なぜDeNAラミレス監督は自らマウンドへ? 山崎にかけた言葉と示した信頼
同点で迎えた9回1死満塁の大ピンチでラミレス監督は自らマウンドへ
■DeNA 5-5 ヤクルト(22日・横浜)
DeNAは22日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に5-5と引き分け、連敗ストップはならなかった。2度のリードを守れず、終盤のチャンスにあと一本が出ない展開だったが、ラミレス監督は「すごくポジティブな引き分けだった」と下を向くことはなかった。
試合後の指揮官のリモート会見は、ほとんどが守護神と4番打者についての話に割かれた。19日の巨人戦で同点にされた時点で交代されるなど、調子を落としている山崎がこの日は同点の9回に登板した。山崎は代打で登場した先頭の山崎に安打を許した。続く坂口は送りバント失敗と思われたが、二塁のカバーに入った大和が一塁へ悪送球し1死2塁に。続く山田哲、青木には連続四球。1死満塁となると、ラミレス監督自らマウンドに向かい、バッテリーと話をした。監督の言葉を受けた山崎は、村上と荒木を打ち取り、勝ち越しを許さなかった。
ここ数試合の経緯から考えても、失点して負け投手になれば、守護神の座を剥奪されかねない状況だった。指揮官は「まずは大丈夫か、と山崎を落ち着かせてから話を聞いた。バッテリーの2人が勝負してなんとか抑えたいと言ったので、村上への攻めについてどんなプランがあるのかを聞いて、それでいいということになった」と、異例とも思える行動の経緯を説明した。
そして「彼らの考え通りにやって、それがうまくいったのでよかった。いい仕事をしてくれた」とピンチを切り抜けたバッテリーを褒めた。さらに「(投手コーチでなく)自分がマウンドに行ったのは、彼なら切り抜けてくれると信頼していることを示すためだった。その通りに抑えてくれたので、これからもクローザーとしてやれると思う」と、不安定な内容でも最後は抑える絶対的な守護神として、さらに信頼を深めた様子だった。
ラミレス監督は初回に今季1号となる本塁打を放った4番の佐野についても言及した。「ここまで100打席を超えてもまだホームランが出ず、本人もプレッシャーを感じていたと思うが、これでより集中力を増して打席に入れるのではないか」と4番の初本塁打を喜び「当然のことだが、この1本だけで終わってしまうと思っている人は誰もいないはず。シーズン前から、今季は15本塁打ぐらいはいけると言っていたが、残り90試合ぐらいあるので、それも達成できるのではないかと思う。とにかくチームにとっても、非常に大きいこと」と確信していた。
6連敗を止めることができず、地元の横浜スタジアムでは6月28日以来勝ち星がないが、「ようやく投打が噛み合ってきて、勝利もすぐそばに来ていると思う」と、連敗脱出に意欲を見せたラミレス監督。前日の「連敗の後には必ず連勝が来るもの」という言葉が現実になれば、ベイスターズが再び首位戦線に参戦する日も遠くなさそうだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)