有観客になって打率3割超え 初お立ち台となった鷹・松田宣を変えたファンの存在
お立ち台では新型コロナの影響を考えた独りパフォーマンスを披露
■ソフトバンク 3-2 日本ハム(22日・PayPayドーム)
7月10日から始まったプロ野球の有観客試合。ファンが球場に入ってから豹変したのがソフトバンクの松田宣浩内野手だ。有観客の初日に今季1号を放つと翌日にも2試合連続弾。そして、遠征から戻ってきた22日の日本ハム戦では、今季初のお立ち台に上がった。
22日の日本ハム戦。1点差に迫った7回2死二、三塁の場面だった。代わったばかりの玉井を相手にフルカウントまで粘ると、7球目のカットボールをセンター前へと運んでみせた。2人の走者を迎え入れて、チームは逆転に成功。松田宣自身は一、二塁間に挟まれる形で走塁死。少しだけバツが悪そうにベンチに引き上げたが、ファンから惜しみない拍手が送られた。
今季初のお立ち台に上がった松田宣は「真っ直ぐ、カットに絞って、粘る気持ちで素直にセンター返しができました」と殊勲の打席を振り返った。直前、犠飛でも同点という場面で上林が空振り三振。松田宣が倒れれば、8回からは日本ハムの勝ちパターンが立ちはだかるところだった。前日に6連戦の初戦を落としているだけにこの一打で2戦目を取れたことはチームにとって大きい。
お立ち台での最後に「開幕からチームに貢献できていなかったので、仕事したいなという思いで打席に立っています。これからもチームを救えるような一打を打っていきたい」とし、最後にマイクを手渡された松田宣。昨季までは「それでは皆さんお立ちください」から始まり、観客とともに「ワン、ツー、スリー、マ~~ッチ!」と叫ぶのがお立ち台での恒例だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で大声を出しての応援が禁止されているため、この日は「お客さんは聞いといてください。僕一人でワン、ツー、スリー、マッチやります」と、異例の独りパフォーマンス。新型コロナ禍での新様式での初のお立ち台だった。