有観客になって打率3割超え 初お立ち台となった鷹・松田宣を変えたファンの存在

「ファンが入ってない時は酷かった。その分をどう取り返そうか考えてやっている」

 開幕を「6番・三塁」で迎えたが、開幕2試合ノーヒットに終わった松田宣。3試合目で出た今季初安打がタイムリーとなったが、その後も調子は上がらず、2カード目の西武との6連戦でも24打数4安打。打順も8番に下がるなど、極端な打撃不振に苦しんだ。

 ところが、有観客となった7月10日から松田宣のバットが快音を響かせ始めた。10日に今季1号となる先制弾を放つと、待望の“熱男パフォーマンス”を披露。大声での応援が禁止されている観客も待ちに待った一発に思わず絶叫すると、翌日にも得意のテラス弾を打ち込んで連日の“熱男パフォーマンス”を展開した。

 松田宣は、その後も徐々に“らしさ”を取り戻していく。続く京セラドームでのオリックスとの6連戦では4試合でヒットを放ち、うち2試合でマルチヒットを記録。開幕から7月9日までの無観客18試合では68打数11安打、打率.162、4打点。これに対し、有観客となって以降の11試合では40打数12安打、打率.300、8打点。この豹変ぶりから見ても「ファンあっての松田宣浩」と言えるだろう。

 試合後に「ファンの皆さんが入ってからはいいと思うんですけど、ファンが入ってない時は酷かった。その分をどう取り返そうか考えてやっている」と語っていた松田宣。入場制限がある中、少ないながらも、ファンの声援こそが熱男のエネルギーとなっていることは間違いない。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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