西武與座、待望のプロ初勝利に大学時代恩師感慨 「亡き同級生の思いも胸に…」

プロ初勝利を挙げた西武・與座海人【写真:宮脇広久】
プロ初勝利を挙げた西武・與座海人【写真:宮脇広久】

岐阜経大1年時にサイドから“絶滅危惧”のアンダースローに転向

■西武 3-2 ロッテ(23日・メットライフ)

“絶滅危惧種”といわれるアンダースローの西武・與座海人(よざ・かいと)投手が23日、ロッテ戦に先発して5回2失点に抑え、待望のプロ初勝利を挙げた。「海の日」に海人が快投とは出来過ぎだ。岐阜経大(現・岐阜協立大)出身者で初のプロ選手として、2017年ドラフト5位で入団。恩師で同大学野球部監督の小森茂氏が、そんな與座の素顔を明かした。

 1点ビハインドの2回1死一、三塁のピンチでは、4番・安田の強烈なピッチャーライナーを倒れ込みながら好捕。與座は「奇跡です!」とおどけたが、小森監督は「フィールディングは大学時代から良かった」と、うなづいた。

 岐阜経大入学当初はサイドスローだったが、元阪神投手の中ノ瀬幸泰コーチのアドバイスもあって、1年生の終盤にアンダースローへ改造。「牧田和久投手(当時西武、現楽天)の投球の動画を何回も見て参考にしたと聞いています。サイドスローの時はストライクゾーンの左右しか使えていなかったが、アンダーにしてから上下も使えるようになりました」と小森監督。與座は主将兼エースとなった4年生の春、東海地区大学野球の岐阜県リーグで優勝し、静岡県リーグや三重県リーグの覇者と戦う代表決定戦も突破して、同大学史上初めて全日本大学野球選手権出場を決めた。その1回戦で石巻専修大を1安打完封し、一躍プロから注目を浴びる存在となった。

 同大学初のプロ選手となった與座だが、実は入学当初は他に、誰もが「プロになれるとしたら、こっち」と見ていた同級生の好投手がいた。香川・三本松高出身の中野宏紀さん。小森監督は「スリークオーターから速球は140キロを超え、気迫を前面に、声を出しながら投げるタイプでした。私も4年後は絶対プロと見ていました」と証言する。1年生の頃は、「俺はプロに行く」と自信満々に語る中野さんを、與座はニコニコしながら聞いている感じだったという。

大学1年時にチームメートがバイク事故死「與座は中野の思いも胸に抱いて、プロでやっていく」

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