タイプは「岸に似ている」 藪恵壹氏が阪神打線から6回10Kの広島ドラ1森下を絶賛
初回に2ラン被弾も6回4安打10K2四球で2勝目をマーク
■広島 4-2 阪神(23日・甲子園)
広島は23日、甲子園での阪神戦に4-2で勝利した。この日、阪神・藤浪晋太郎投手と投げ合ったのは、ドラフト1位ルーキーの森下暢仁投手。初回に大山に先制2ランを許したが、2回以降は無失点に抑え、6回を120球で投げ終えて、4安打10奪三振2四球2失点(自責2)で今季2勝目をマークした。
回を追うごとに球数がかさむ場面が増えたが、新人らしからぬ落ち着きと緩急を巧みに使ったピッチングを披露。そんな22歳右腕を「今年の新人王候補筆頭ですよ」と絶賛するのが、阪神OBで元メジャー投手の藪恵壹氏だ。今季4度目の先発で3度目のクオリティスタート(6回以上自責3以下)、毎回の10奪三振を記録した森下だが、この日はカーブの使い方が絶妙だったという。
「あの縦にドローンと落ちるカーブを効果的に使っていましたね。ただ、打者にもカーブがあるという情報は伝わっているから、前半はあまり使いませんでした。そこは會澤(翼)選手が上手くリードした。最初からカーブを見せずに、打順が2巡目あたりから使い始めて、初球に持ってくることもありました。打者は完全にタイミングを外されていましたね」
伸びのあるストレートを投げながら、ドロンとしたカーブを上手く使うスタイルは「楽天の岸(孝之)投手に似ていますね」と話す、ただ、森下にはカーブの他にも十分武器となる質の高い球種が引き出しとして備わっている。
「真っ直ぐは時速150キロを超えてくるし、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、そして縦のカーブがある。さらに、投げられるのに、まだフォークを使っていません。普通、縦の変化はチェンジアップとフォークの2つであるところに、カーブが加わって3種類の縦の変化が付けられる。これができるのも、森下投手は左脇腹を縮めて右脇腹を伸ばすように、体を縦に振れているからです。左肩が落ちて右肩が上がってくるから、意識しなくても自然と手首が立ってきますよね」