「ニールで負けたら大変だ」 西武・辻監督が語る負けない助っ人右腕の“魔力”とは
負けなしニール登板時の1試合平均6.4得点、球界随一の山賊打線もアシストする
もちろん、ニールの投球自体も安定感抜群。負けなしの21試合中、失点は29(自責24)。1試合平均2.2失点(自責1.9)に過ぎない。この間、責任投球回数の5イニングをまっとうできなかったのは、3回2/3で5点を失い(自責2)マウンドを降りた昨年4月23日のロッテ戦1度きり。この試合は9-9の引き分けに終わっている。また、完投は来日以来まだ1度もなく、完璧に抑え込むことが少ない代わりに、大崩れもしない。
そして、ニールには球界随一の“山賊打線”がついている。コントロールが良く、投球のテンポがいいから、味方の攻撃にもリズムが生まれる。件の21試合で、味方の得点は134点(1試合平均6.4点)。前回登板の7月17日・楽天戦でも、味方打線が今季最多の17安打を放ち、10得点と爆発した。
今季のリリーフ陣の充実ぶりも、不敗神話続行を後押しする。この日はニール降板後の7回から平良、ギャレット、守護神・増田の3投手のリレーでロッテに得点を許さなかった。仮にKOされ先にリードを許す展開になったとしても、リリーフ陣が踏ん張り、山賊打線のパワーで同点に追いつきさえすれば、少なくともニールの黒星は消えることになる。
数々の“負けない条件”を兼ね備えているニール。チームは“貯金2”で、首位ソフトバンクへ1ゲーム差につけている。当然不敗神話が伸びるほど、リーグ3連覇に近づく。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)