「障壁は乗り越えられる」 ロ軍右腕が奇跡の復活劇、イップス克服し2979日ぶり白星
ロッキーズのバードは26日のレンジャーズ戦で2979日ぶりの白星を手にした
■ロッキーズ 3-2 レンジャーズ(日本時間26日・テキサス)
ロッキーズのダニエル・バード投手が25日(日本時間26日)、敵地で行われたレンジャーズ戦でリリーフ登板。1回1/3を無失点に抑え実に2979日ぶりの白星を手にした。イップスが原因で一度は引退し、再び戻ってきたメジャーの舞台に「苦しんでいる人たちにとって障壁は乗り越えられるんだという証明になればいい」と語った。MLB公式サイトが伝えている。
バードの出番は1点をリードした5回だった。2死一、二塁の場面で2番手として登板し1回1/3イニングを2安打無失点に封じ勝利投手となった。
2011年には中継ぎとして70試合に登板したが、2013年以降はイップスに悩まされてメジャーのマウンドから遠ざかり、カブスなど複数の球団を渡り歩き2018年に現役を引退。その後はダイヤモンドバックスのメンタルトレーニング部門のスタッフに就任し、今年、現役復帰してロッキーズとマイナー契約を結び、7月17日にメジャー契約を結んでいた。
MLB公式サイトは「イップスで7年離れたピッチャーがMLB復帰戦で勝利を飾る」と特集。バードが歩んできた野球人生を振り返っている。バードは昨季、ダイヤモンドバックスのメンタルコーチとして選手とキャッチボールしていた時にイップスを克服していることに気が付いたという。
この日の登板後にバードは「それは一晩で身につけられるようなものではなかった。訓練が必要で、たくさんの意図的な取り組みが必要だった。でも、できればこれが何かに苦しんでいる人たちにとって、障壁は乗り越えられるんだという証明になればいいなと思う」と自身の復活劇を口にした。
一時はストライクが全く入らない程苦しんだ姿はもうなかった。この日、投じた全25球中20球がストライク、球速は最速99マイル(約159キロ)をマーク。バド・ブラック監督も「ダグアウトの端で彼を捉まえたら、彼は『楽しかった』って言ったんだ」と、奇跡の復活登板を喜んだ。
ロッキーズ公式ツイッターも「バードがメジャーリーグのマウンドに戻ってきた。ネバー・エバー・ギブアップ! バードの映画は素晴らしいものになるだろう」と称えていた。
(Full-Count編集部)